経済
人気店のバーテンダーが開発、除菌用アルコールスプレー かんきつ系の香り好評
神戸・三宮で人気店を営むバーテンダーが、かんきつ系の香りを調合した除菌用アルコールスプレーを開発した。お酒の提供で研ぎ澄ませた嗅覚を生かし、自ら選んだアロマオイルをブレンドした。手指などの消毒に気を使いがちな新型コロナ禍にあって「優しい香りに癒やされる」とリピーターを増やしており、医療従事者らには無償で提供している。
「ローゲンジッツ」(神戸市中央区下山手通2)のオーナーバーテンダー、難波宏行さん(42)。神戸で修業して2008年に同店を開業し、カクテルづくりの技で神戸市技能職者表彰などを受けた。
コロナ禍の昨年、除菌用アルコールに店のおしぼりに噴霧するアロマオイルを混ぜ合わせたところ、手になじみ、鼻につくきつい香りが抑えられた。来店客に使ってもらうと「家にもほしい」と評判を呼び、商品化を思い立った。
西宮市内のオイルなどのメーカーに通い、最適な配合を探した。エタノール75%の濃度を確保しながら、グレープフルーツやベルガモットの天然精油を合わせて、「カクテルと一緒。全体のバランスを大事に」考えて完成させた。
ブランド名は、好きなスコッチウイスキーにちなんで「CAOLI LA(カオリラ)」。昨年12月に販売会社を設け、これまでに約3千本を販売した。
医療機関や福祉施設で働く人には、なじみの顧客らを通して約800本をプレゼントした。明石市内のクリニックに勤める女性(45)は「アルコール濃度はしっかりあって気分が和らぐ。スタッフの評判も良く、普段の消毒液と併用で使っています」と喜んでいる。今後も申し出があれば寄付する。
ローゲンジッツは緊急事態宣言で休業しているが、難波さんは「前を向くしかない。いろんなつながりに支えられてゼロからつくったスプレーで、少しでも笑顔が広がればうれしい」と思いを語る。
香りはユーカリにミントを効かせたタイプと2種。1本(50ミリリットル)1600円、2本セット3千円など。販売会社エイチアンドビーのホームページ(https://handb.shop/)などで購入できる。ローゲンジッツTEL078・321・2918
(大盛周平)