ひょうご経済プラスTOP 経済 レールのひずみ遠隔監視 川重のサービス、北米大手鉄道が採用 運行支援強化へ

経済

レールのひずみ遠隔監視 川重のサービス、北米大手鉄道が採用 運行支援強化へ

2021.06.10
  • 印刷
営業運転中にレールの状態を点検できる遠隔サービスのイメージ(川崎重工業提供)

営業運転中にレールの状態を点検できる遠隔サービスのイメージ(川崎重工業提供)

 川崎重工業(神戸市中央区)は、鉄道の営業運転中にレールを点検する「軌道遠隔監視サービス」が、北米の大手鉄道会社に採用されたと発表した。車両に取り付けた専用の装置でレールのひずみなどを監視し、補正や交換のタイミングを知らせるのが特長。車両の納入だけでなく、運行支援サービスも強化して安定的な収益確保を図る。

 同サービスは、先頭車両の台車などに取り付けた2台のカメラで左右のレールを撮影するなどし、計測データを川重側に常時送信。データをもとにレールの状態を自動で解析し、左右の幅の変化や高さの違い、表面の波打ちなどがないかを調べる。異常が見つかれば鉄道会社に連絡するほか、蓄積したデータから保守のタイミングを鉄道会社に知らせる。

 通勤電車などの営業車両に取り付けるため、保守専用車両を走らせたり、手作業で点検したりする必要がなく、省人化を図ることができる。国内では2008年にJR東日本に納入したが、北米での採用は初めてという。

 川重によると、北米の鉄道の総延長距離は約23万キロメートルと日本の約10倍で、保守点検の需要は大きいという。遠隔監視サービスは現地にも競合企業はあるが、川重の機器は小型で取り付けが容易なことや、車両本体の製造元の信用を強みに契約を拡大する方針だ。

 川重の鉄道車両部門は、北米での納期遅れや施工不良、新型コロナウイルス禍などが重なり、21年3月期まで4年連続で営業赤字を計上した。近年、需要が高まる運行システムなどの提供で競争力を高める必要があると判断。他社との連携を円滑にするため、今年10月に同部門の分社化が決まっている。

 遠隔監視サービスは、利用料が収益となり、30年に計100億円以上の売り上げを目指す。(中務庸子)