経済
資源循環型肥料で育てた山田錦の日本酒完成 際立つ香り、口当たり良く
神戸酒心館(神戸市東灘区)やJA兵庫六甲(同市北区)などは10日、下水汚泥に含まれるリンを肥料に使うなど、資源循環に配慮して育てた神戸市産山田錦を原料とする日本酒が完成したと発表した。ITを活用する「スマート農法」も採り入れた。
プロジェクトは昨年始まり、市や市内の農家、電機メーカーのコニカミノルタ(東京)なども参加している。
兵庫県産酒米の付加価値向上を目指している。ドローンで撮影した田んぼの画像を分析し、山田錦に適した肥料の開発や、作業の効率化につなげる。
1年目の昨年は、資源循環型肥料の効果が途中で切れるなど課題が残った。今年は肥料を改良し、使用面積も約4倍の1ヘクタールに広げるという。
完成した純米吟醸酒は、「環和」と名付けた。試験栽培した山田錦だけで醸造しており、香りが際立ち、口当たりよく仕上がったという。
「循環型社会の実現に向けた第一歩。お酒を通じ、取り組みの輪を感じてほしい」とメンバー。
発売は6月22日で、720ミリリットル入り2200円。2400本。JA兵庫六甲の直売所「六甲のめぐみ」や神戸酒心館、同社のホームページなどで販売する。同社TEL078・841・1121
(山路 進)