ひょうご経済プラスTOP 経済 申請済ませ着々、医師確保できず…ワクチン職場接種で対応分かれる 兵庫の企業・団体

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申請済ませ着々、医師確保できず…ワクチン職場接種で対応分かれる 兵庫の企業・団体

2021.06.19
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神戸新聞NEXT

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 新型コロナウイルスワクチンの職場接種が21日から始まる。兵庫県内では、食肉大手のエスフーズや川崎重工業などが県への申請を済ませる一方、打ち手を確保できずに検討中の企業も多い。職場接種を見送り、特別休暇制度などを設けて後押しするところもあり、対応が分かれている。(まとめ・中務庸子)

 エスフーズは26日から、姫路の食肉処理施設の会議室で始める。まずは姫路支社や関連会社の従業員、和牛生産者ら計400人が対象。毎週土曜に100人ずつ行い、8月21日には2回目の接種を完了する計画だ。西宮市の本社従業員にも広げていくという。担当者は「食をあずかる企業として事業継続を保っていきたい」と強調する。

 川重は、県内五つの工場と神戸本社の6拠点での接種計画を県に申請。対象は本体と関係会社の従業員などで、7月1日の神戸、兵庫両工場を手始めに順次進める。アスファルトプラント大手の日工も、同月5日に開始。住友ゴム工業(神戸市中央区)の本社は同月中に始める。当初、産業医だけでは打ち手が足りなかったが、外部の協力が得られるめどがたった。

■団結

 政府が1会場当たりの対象者を最低千人程度としていることから、複数の事業者で手を組む動きもある。

 JA兵庫信連、JA全農兵庫など五つの農協系統団体は、職員ら計約千人の接種を神戸・元町の県農業会館で行う。単位農協も最低要件を満たそうと共同で実施。兵庫西(姫路市)・あいおい(相生市)と、みのり(加東市)・兵庫みらい(加西市)の2グループが準備を進める。一方、兵庫六甲(神戸市北区)は単独で実施する。

 神戸商工会議所は会員向けの共同接種を協議している。ただ、対象者の線引きや予約の仕組みなど調整は広範に及ぶ。担当者は「個別企業内だけの意思決定に比べ、どうしても時間がかかる」と明かす。

■慎重

 職場接種に不可欠な打ち手らを自前で確保できず、上組やフジッコなどは実施の時期、方法などを検討中だ。ただ、自治体などが設置した大規模会場で64歳以下の接種予約も始まったことから、職場接種の要否を慎重に検討する動きも出そうだ。

 ノーリツの担当者は「大規模会場の接種の方が早いかも。ただ、感染リスクを低減したい製造要員などは職場で接種できるのが望ましい」と、複雑な心境をのぞかせる。

 職場接種を見送った企業もある。全国に店舗や工場が分散するロック・フィールドは、1カ所に集めて実施するのは難しいと判断。TOAとG-7ホールディングスは、単一会場の従業員の最低要件を満たさず、特別休暇などの制度を設けて接種を後押しする。

 一方、神戸製鋼所は、神戸市中央区の国際健康開発センター会議室を6月22日から接種会場として神戸市に提供。加古川製鉄所の体育館も加古川市に貸し出して協力する。