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アイスクリーム製造大手の田口食品 米に工場建設へ、欧州市場への供給も視野

2021.07.30
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輸出用に生産しているソフトクリームを手にする田口翔一副社長(中央)ら=田口食品

輸出用に生産しているソフトクリームを手にする田口翔一副社長(中央)ら=田口食品

寄贈式に出席した(左から)田口晴喜社長と藤井隆病院長ら=赤穂市民病院

寄贈式に出席した(左から)田口晴喜社長と藤井隆病院長ら=赤穂市民病院

 アイスクリームや洋生菓子製造大手の田口食品(兵庫県相生市)は、米国ノースカロライナ州に工場を建設する。投資額は20億円。同社が海外に生産拠点を構えるのは初という。2024年度中の稼働を目指し、将来は欧州市場への輸出拠点としたい考え。

 同社は、風船型アイス「コロンブスのたまご」などの製造で知られるが、北米市場向けの専用商品を開発。2016年からアイスクリームや洋生菓子を輸出している。

 甘みを強くするなど、現地向けに味は変えているが、日本の製造技術の高さで実現できるやわらかい生地やなめらかなクリームなど、口あたりの良さが好評という。また、タピオカ入りのアイスクリームが、米流通大手で販売されるなど、需要は右肩上がり。同社の出荷量のうち、海外向けが1割を超える水準まで拡大している。

 今後も、輸出量の増加が見込まれるが、国内では生産現場の人手不足が課題。さらに関税や輸送費など従来の輸出コストに加え、新型コロナウイルスの影響で海外の港湾施設の稼働が急きょ止まるなど、物流が不安定になっている。

 田口翔一副社長は「現在は、日本から輸出しても価格競争力はあるが、国内の原材料価格の値上がりなども見据え、米国工場の建設を決めた」と話す。今後、現地法人の設立に向けた準備を本格化させる。

 米国工場の生産量は、初年度1千万食とし、5年後には8千万食を目指す。米国は人口増加が続き、アイスクリーム消費量も多い。工場を新設する同州では、生産に欠かせない水や電気を低コストで調達できる。

 田口副社長は「将来は米国工場を足場に欧州市場に商品を供給したい」と話している。(段 貴則)

■地域医療の支援も

 田口食品は、地域医療を支援する仕組みを持つみなと銀行の私募債「感謝」の発行を通じ、赤穂市民病院に20万円を寄贈した。

 田口食品が私募債で資金調達し、みなと銀行が得る手数料の一部を両社で同病院への寄付とした。

 藤井隆病院長に目録を手渡した田口食品の田口晴喜社長は「西播磨の中核医療機関として、日々、新型コロナはもちろん、地域医療を提供している赤穂市民病院に活用してもらえれば」と話した。