経済
同じ田の山田錦で出来栄え競う 若手5酒蔵がユニーク企画
新型コロナ危機を乗り越えようと兵庫の若手5酒蔵で結成した「HYO5KURA(ひょうごくら)」が同じ場所の酒米山田錦で日本酒を醸すプロジェクトを始めた。産地単位で集荷・供給される酒米を扱うのが一般的な酒づくりでは極めて珍しいという。参加する蔵元の一つ、岡田本家(兵庫県加古川市)の岡田洋一さんは「同じ米でも水や作り方で大きな違いがでる。お客さんとともに楽しめる企画にしたい」と意気込んでいる。(辻本一好)
「播州一献」の山陽盃酒造(同県宍粟市)、「純青」の富久錦(同県加西市)、「盛典」の岡田本家、「来楽」の茨木酒造(同県明石市)、「仙介」の泉酒造(神戸市東灘区)の5蔵。
いずれも料理店向けの吟醸酒や純米酒が中心の地酒蔵元で、コロナ禍で販売減の打撃を受ける中、課題である家飲み向けセットを企画して4月に発売した。
今回は、最高峰の酒米山田錦の産地である兵庫の酒蔵としてその魅力を深掘りしようと立案した。
加西市の西脇農園の協力を得て1・2ヘクタールの水田で減農薬栽培する。6月に田植え作業に参加し、各蔵ののぼり旗を立てた。収穫米は60%精米して醸造する。
取り組みのアピールを兼ねて、夏向けの酒300ミリリットル5本セットを3960円で7月16日から販売する。氷を入れるオンザロック向けや夏の食材に合うさわやかな酸味の酒、ブレンド酒などがある。
予約締め切りは12日。HYO5KURA事務局(富久錦)TEL0790・48・2111(メールはhyo5kura@299.jp)