ひょうご経済プラスTOP 経済 今年は断念…子持ちダコの放流 記録的不漁で確保困難 播磨灘漁師ら来年の漁獲量に不安

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今年は断念…子持ちダコの放流 記録的不漁で確保困難 播磨灘漁師ら来年の漁獲量に不安

2021.09.16
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10万個規模の卵を産んだマダコが入るツボを持つ漁師の中村保博さん。「タコが増えてほしい」と願い、海に返すという=明石市二見町東二見

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 兵庫・播磨灘のマダコが極度の不漁に陥っている問題で、地元漁師らが資源量回復のために昨年まで3年間続けてきた親ダコの放流を断念したことが分かった。不漁により放流用のタコも確保できないためで、漁師らは「来年どうなるのか」と危機感を募らせる。(山路 進)

 放流は明石-高砂の4市町にある9漁協の漁師でつくる「東播磨底曳(そこびき)網漁業協議会」(255隻)が、低水温で不漁だった2018年から実施。明石で水揚げされたマダコのうち、卵を抱いた母ダコを選別し、9月中旬以降、計270~440キログラムを海に放してきた。さらに稚ダコを保護するため、その後、周辺海域で最長7カ月間禁漁してきた。

 関係者によると、今年は漁獲不振の影響で抱卵した母ダコも激減。確保できた量はわずか数キログラムだったという。当初は15日から今月末ごろにかけて放流する予定だったが、断念した。同協議会の竹本義美会長(63)は「まさか放流できないほど少ないとは。自然に増えるのを期待するしかない」と話す。

 冬の異常な低水温で記録的な不漁となった1963年と84年には、熊本・天草地方からそれぞれ約10トンのマダコを購入し放流した。しかし、兵庫県水産技術センターは「違う海のタコを入れると、タコの質が変わる可能性がある」と指摘している。