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関西スーパー争奪戦が大詰め 臨時株主総会まで1週間 H2Oとオーケーの主張、真っ向対立

2021.10.22
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関西スーパーの臨時株主総会の招集通知(左上)と、H2Oとの統合案に反対票を投じるよう呼び掛けるオーケーの書面

関西スーパーの臨時株主総会の招集通知(左上)と、H2Oとの統合案に反対票を投じるよう呼び掛けるオーケーの書面

神戸新聞NEXT

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 エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループとの経営統合案を諮る関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)の臨時株主総会が29日に迫り、同社の争奪戦が大詰めを迎えている。H2Oの統合案を巡り、株式公開買い付け(TOB)による関西スーパー買収を目指す首都圏地盤のオーケー(横浜市)が疑義を表明。H2Oと関西スーパーが自案の正当性を主張した後、互いに再反論を繰り返して、双方が一歩も引かない状態となっている。自陣への賛同を求める動きも過熱しており、株主の判断が注目される。(横田良平)

 ■事業計画

 H2O案は関西スーパーがH2Oの子会社になり、傘下のイズミヤ、阪急オアシスと株式を交換して経営統合する。現在の関西スーパーは来年2月に中間持ち株会社「関西フードマーケット」に商号を変更し、食品スーパーを引き継ぐ新・関西スーパーマーケットが発足。関西フードが3社を束ねる。3社統合後の事業計画は、2026年3月期の売上高を21年3月期比5%増の4千億円、営業利益を85%増の135億円と試算した。

 この計画に対し、オーケーは「非常に楽観的」と批判。利益率改善による右肩上がりの増益で、「近年の実績から大幅に懸け離れた利益水準」と指摘する。一方、H2Oはイズミヤが総合スーパーから食品スーパー専業への過渡期であり、阪急オアシスも不採算店の整理を進めてきたと説明し、「実現可能な事業計画を出している」と訴える。統合による生産性向上や業務効率化といった効果を織り込んでおらず、「さらに上昇する可能性もある」と強調する。

 ■株価

 オーケーは株主総会での統合議案否決と撤回、関西スーパーの賛同を前提に、1株2250円でTOBを実施し、同社を買収する意向を示す。この額は同社の上場来最高値と同じで「誰も損なく、十分喜んでいただける額」とする。

 一方、H2Oと関西スーパーは、統合後の事業計画を基にした外部機関による算定で、理論株価が1787~3128円になると主張。株主に「統合こそが株主利益の最大化に資する」と訴える。この理論株価をオーケーは「信ぴょう性に乏しい」と非難し、独自の算定では896~1269円にとどまるとする。

 ■議決権行使

 H2Oとの統合案が可決されるには、出席株主の議決権で3分の2以上の賛同を得る必要がある。双方の多数派工作が過熱してきた。

 関西スーパーは総会の招集通知で、株主自らが議決権を行使せず、自社に委ねるよう推奨。行使のための書類を28日までに返送することを求めている。オーケーは株主にH2Oとの統合案に反対票を投じるよう要請した。株主に対し、議決権行使書の返送方法などを詳細に説明した文書をホームページに掲載する。

 また、オーケーの関係者が株主を個別訪問して反対投票を呼び掛け、関西スーパーが自粛を求める事態にも発展している。

 ■株主は

 今回の両案は株式交換とTOBという手法の違いに加え、関西スーパーの取引先株主にはオーケーとも取引のある企業も多い。このため、株主も判断に慎重を期している。

 オーケーに次ぐ第4位株主の伊藤忠食品(大阪市)は、個別に関西スーパーに質問状を送付した。上場企業として、自らの株主にも判断を説明する責務がある中、関西スーパーの説明は不十分との立場からだ。その後、関西スーパーは伊藤忠食品の質問にも回答する形で見解を表明。同社は「出された見解を基に、判断を検討している」とする。

 取引のある株主企業の関係者は「もはや片方に賛同すれば、もう一方が立たない状態。慎重に判断したい」と言葉を濁す。一方、関西スーパーは労働組合からH2Oとの統合に賛同を得られたとしている。

 統合案の行方を左右するのは、約3割を占める個人株主との指摘もある。ある男性株主は「どちらも(自案の優位性を)説明しているようで、結局、会社の将来がどうなるのかがよく分からない」と困惑する。消費者でもあり、「(H2Oと統合するにせよ、オーケーに買収されるにせよ)関西スーパーがどのような店になるのかも大きな関心事。株価以外の株主利益を示してほしい」と話す。