経済
オーケーが買収提案取り下げ 関西スーパーとH2O経営統合、賛成率は66%
関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は29日、伊丹市内のホテルで臨時株主総会を開いた。エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループとの経営統合案など計5議案を提出し、採決の結果、全ての議案が原案通り可決された。統合議案の否決などを前提に、関西スーパーの買収を目指していた第3位株主の首都圏地盤のスーパー、オーケー(横浜市)の二宮涼太郎社長は、総会後に報道陣の取材に応じ、買収提案を取り下げる意向を明らかにした。(横田良平)
午前10時に開会した総会には、インターネットなどでの議決権を行使した株主を含め3859人が出席。筆頭株主のH2Oからは林克弘副社長が会場入りし、オーケーの二宮社長も姿を見せた。
統合議案は関西スーパーがH2Oの子会社となり、H2O傘下のイズミヤ、阪急オアシスと株式を交換して完全子会社化する。現在の関西スーパーは来年2月に中間持ち株会社「関西フードマーケット」に商号を変え、食品スーパーを引き継ぐ新・関西スーパーマーケットが発足。関西フードが3社を束ね、上場を維持する内容。出席株主の議決権行使で、可決に必要な3分の2以上の賛成を得た。賛成率は66・68%だった。
関西スーパーの福谷耕治社長は「H2Oグループの一員になることで企業価値の向上が見込め、売上高が4千億円規模に拡大するのは株主利益にも資する」と説明し、賛同を呼び掛けた。
出席した株主からは「統合後の業績が振るわない場合、どの段階で経営責任を取るのか」と質問が飛び、福谷氏は「統合する3社は地域密着でブランド価値を高め、相乗効果を出しながら利益を出していく。全身全霊で取り組んでいく」と答えた。
反対意見の株主が「自己資本比率が低く、赤字を出しているイズミヤ、阪急オアシスとの統合を考え直して欲しい」と訴えると、会場から拍手が聞こえ、株主同士が言い争う場面も。「関西スーパーが好きなだけに、今後もどの傘下にも入らず独立を維持してほしい」との意見もあった。
総会ではこのほか、関西フードの社長にH2Oの林氏を充てる人事案などが諮られ、承認された。
関西スーパーとH2Oは8月末に統合を発表。その後、オーケーが関西スーパーの買収を目指すと表明した。総会での否決と統合撤回などを前提に、関西スーパー株を1株2250円で株式公開買い付け(TOB)するとしていた。




















