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兵庫の酒造会社「低アルコール商品」続々 コロナ克服へ反転攻勢

2021.10.21
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大関が開発したハーブ酒「ブーケ オブ ハーブス」=西宮市今津出在家町

大関が開発したハーブ酒「ブーケ オブ ハーブス」=西宮市今津出在家町

沢の鶴が発売した「シュシュ ライト」(同社提供)

沢の鶴が発売した「シュシュ ライト」(同社提供)

ヤヱガキ酒造が発売したクラフトコーラ「ラララコーラ」(同社提供)

ヤヱガキ酒造が発売したクラフトコーラ「ラララコーラ」(同社提供)

 兵庫県内の酒造会社が、低アルコール、ノンアルコールの商品を相次いで投入している。近年の健康志向の高まりや若者のアルコール離れに対応する。県は新型コロナウイルス対策で実施した飲食店の営業短縮と酒類提供制限を21日で終了することを決めた。ただ、感染再拡大が懸念される冬を前に、低アル・ノンアル商品の需要は根強いと判断。品ぞろえを増やし、コロナ禍で奪われた商機の穴埋めを狙う。(赤松沙和)

 大関(西宮市)は、純米酒にハーブを漬け込んだ「ブーケ オブ ハーブス」(500ミリリットル、アルコール度数8%)を開発した。

 レモングラス▽ジンジャー▽コリアンダー▽シナモン-の4種のハーブと、鹿児島・奄美大島のきびオリゴ糖を使用。日本酒の甘さと爽やかな風味が楽しめるという。

 同社の女性社員でつくるプロジェクトチームが約1年かけて開発した。素材を漬け込む酒は同社で初の試みといい、ハーブの組み合わせや雑味が出ない浸漬時間、甘味と酸味の調整などを試行錯誤した。見た目も楽しんでもらおうと、ラベルや瓶のデザインを作り込んだ。

 他部署の社員と意見交換して刺激を受けたという開発メンバーの村川有佐さんは「紅茶や炭酸水で割ってもおいしい。多くの人に味わってもらいたい」と意気込む。

 クラウドファンディング(CF)サイトの「レディーフォー」で販売。1口3千円からで、目標金額は150万円。28日まで。

 沢の鶴(神戸市灘区)は、既存の低アルコール商品をさらに飲みやすくした純米酒「シュシュ ライト」(180ミリリットル、330円)を発売した。アルコール度数は、創業300年余りの同社の歴史で最も低い8・5%に抑えた。「日本酒をもっとカジュアルに」をコンセプトに、フルーティーな香りに仕上げ、そのまま飲めるボトルにした。担当者は「明るい気持ちになってもらえるよう優しい色合いのデザインにした。若い人にも気軽に手に取ってもらいたい」と話す。

 ヤヱガキ酒造(姫路市)は、炭酸水などで希釈するタイプのコーラシロップ「ラララコーラ」(300ミリリットル、1500円)を投入した。アルコールは含まず、コメ発酵エキスと7種のスパイスを使っている。

 焼酎や牛乳で割る飲み方も提案しており、シロップ1本で6~7杯分のドリンクを作れる。8月の発売以降、順調に売り上げを伸ばしているといい、担当者は「子どもから大人まで楽しんでもらえる商品。今後の売り上げにも期待している」と話している。