経済
JR西、686億円の赤字「完全な回復期に入っていない」21年9月中間
JR西日本が2日に発表した2021年9月中間連結決算は、純損益が686億円の赤字(前年同期は1280億円の赤字)だった。新型コロナウイルス流行の長期化で旅行や出張を控える動きが続き、山陽新幹線などの利用がコロナ禍前の水準まで回復しなかった。赤字幅は前年同期に比べ縮小したが、中間期として2年連続の赤字となった。
売上高は前年同期比8・6%増の4368億円。新幹線や在来線の運輸収入の増加が寄与したが、コロナ禍前と比べると大幅に落ち込んでおり、回復の遅れがうかがえた。大阪市の本社で記者会見した中西豊取締役兼常務執行役員は鉄道事業について「10月から上向いてはいるが、完全な回復期には入っていない」との見方を示した。ホテルや旅行業も苦戦した。
JR西は、鉄道利用がコロナ禍前の9割程度の水準まで回復する時期について、今の状況が続いたとしても4カ月程度かかるとの見方を示している。ただ中西氏は「新型コロナの第6波の可能性もあり、不透明な状況だ」と語った。
22年3月期は、純損益を815億~1165億円の赤字、売上高を1兆520億~1兆890億円とし、従来の予想を据え置いた。



















