ひょうご経済プラスTOP 経済 業界初!課税前に品定めが可能に 大丸神戸店 富裕層向け高額品を展示、販売後に通関手続き

経済

業界初!課税前に品定めが可能に 大丸神戸店 富裕層向け高額品を展示、販売後に通関手続き

2021.11.05
  • 印刷
保税蔵置場の認可を受けた「スペシャルルーム」=神戸市中央区、大丸神戸店

保税蔵置場の認可を受けた「スペシャルルーム」=神戸市中央区、大丸神戸店

 大丸神戸店(神戸市中央区)が、通関手続きをする前の貨物を一時的に保管できる「保税蔵置場(ぞうちじょう)」の認可を取得した。輸入時の消費税負担などを気にせずに、世界的に希少な宝飾や芸術品が取り扱いやすくなる。保税蔵置場は、輸出入の製品や原材料などを扱う物流会社、メーカーが主に保有するが、展示・販売用途で認可を受けるのは、百貨店業界で大丸神戸店が初めてという。(横田良平)

 同店はこのほど、高額商品を展示・販売する8階の一部スペースを改装し、保税蔵置場の認可を受けた。同階を文化・芸術に価値を置き、豊かな生活を望む富裕層向けのサービスを提供する「ラグジュアリーフロア」と位置づけ、受注販売や販路拡大を図る。

 億単位の高額商品は、輸入時の税負担が大きな重荷になる。例えば10億円の宝石類では、輸入する企業に約1億円の消費税負担が発生する。仮に売れずに輸入企業が製造販売元に返品する場合、消費税分は戻ってくるが、輸入時に多額の税を納めるために金融機関から借り入れた資金の利子負担などが残る。このため、買い手の付いていない輸入商品を国内で目にする機会は少ないという。

 保税蔵置場で保管、展示する段階では消費税などはかからない。このため、税負担を心配せずに商品を仕入れられる。顧客も世界的に希少な品々を直接見て品定めできる。顧客が購入を決めた時点で通関手続きが取られ、初めて消費税が発生。同店から客に商品を引き渡し、無駄のない受注販売が可能となる。

 同店は今後、得意客向けに宝飾品や美術作品の展示会を行う予定。小宅祥広店長(62)は「高額品に資産価値を求める顧客も多い。百貨店ならではの売り場で、多くの人に喜んでもらいたい」としている。

【保税蔵置場】輸出入の通関前の貨物を一時的に保管する場所で、関税や消費税が課されない利点がある。通常、港湾近くの倉庫や上屋などに置かれることが多い。国際物流の活性化に向け、財務省は昨年から関税法基本通達の一部を緩和し、保税蔵置場でのアート作品の展示なども可能とした。