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神明がAIで農産物流通を効率化へ NTTと共同実験

2021.11.05
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神明ホールディングスの藤尾益雄社長(左から2人目)、NTTの川添雄彦常務執行役員(中央)ら=5日午後、東京都千代田区

神明ホールディングスの藤尾益雄社長(左から2人目)、NTTの川添雄彦常務執行役員(中央)ら=5日午後、東京都千代田区

 コメ卸最大手の神明ホールディングス(HD、神戸市中央区)は5日、子会社の青果卸大手、東果大阪(大阪市)やNTTなどと共同で、人工知能(AI)を使って農産物の流通を効率化する実験を始めたと発表した。食品ロスや流通コストを抑えて生産者の収入増につなげると同時に、温室効果ガスの排出を削減する。2024年ごろの実用化を目指す。

 東果大阪が運営する卸売市場とJA、小売業者の売買データ、季節・天候の情報などを基に、AIを活用して青果物の生産量や需要を予測する。

 サイバー空間上の仮想市場で、JAや卸売業者が出荷日の1週間前に取引し、需要が見込める地域に運ぶ仕組みを構築する。

 国産の青果物の多くは、卸売市場で売買される。その際、市場には需要と関係なく集まるため、価格は大きく変動し、余った商品は他の市場に転送されるなど無駄が生じている。

 新たな仕組みで、生産や加工、運搬、流通など、さまざまな現場の効率的な人員配置にも貢献できそうという。

 東京都内で会見した神明HDの藤尾益雄社長は「日本の農業を守るため、生産、流通の課題を解消する。もうかる農業、魅力ある農業を実現したい」と話した。(山路 進)