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淡路島からアバター使い遠隔接客、大阪の飲料店で試行 パソナグループが導入

2021.11.23
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パソナグループ社内の研修で、画面上のアバターを操作する社員ら=淡路市岩屋、淡路アバターセンター

パソナグループ社内の研修で、画面上のアバターを操作する社員ら=淡路市岩屋、淡路アバターセンター

 パソナグループ(東京)は、仮想の分身「アバター」による遠隔接客サービスを導入する。23日から大阪・道頓堀のコーラ飲料店で試行。兵庫県淡路市内の事務所にいる社員の声や動きに合わせ、店頭の画面に表示されたアバターが来店者に対応する。地理的な制約や年齢、性別、体力差に縛られない新しい働き方をつくるとしている。(上田勇紀)

 新型コロナウイルス禍で広がった在宅勤務や仮想現実の技術発展に着目。アバター開発などを手掛ける「AVITA」(アビータ、東京)と連携する。

 パソナは東京から淡路島への本社機能移転を進めており、淡路市岩屋のオフィス内に操作者を育成する「淡路アバターセンター」を設けた。

 社員がアバターに自然に動きが伝わるよう練習する。言葉や動き、表情が、カメラやマイクを通じてアバターに反映される仕組み。声はキャラクター設定によって変えられる。

 このほど研修を受けた社員の田中絃太さん(25)は、「想像した以上にアバターに動きが伝わる。お客さんも親しみやすいのでは」と話す。

 コーラ飲料店では商品紹介を担い、12月12日まで続ける。店への通勤経費がかからず、非接触のためコロナ感染のリスクを抑えられる利点を生かし、小売りや宿泊など幅広い業種への展開を目指す。有人の店内では、店員が来店者の注文を聞いて商品を受け渡す。

 淡路島内では年内にも、観光案内にアバターを取り入れる計画。島内のパソナ関連施設にモニター画面を設置し、観光案内や予約窓口を担う「淡路コンシェルジュアバター」業務を始めるとしている。松村卓司常務執行役員は「将来的には、長時間の立ち仕事が体力的に厳しい高齢者が、自宅にいながら経験を生かして接客することも考えられる」とする。