経済
経営統合差し止めの取り消し求め、高裁に保全抗告 関西スーパー
エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループとの経営統合差し止めを命じた神戸地裁の仮処分決定維持を不服として、関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は30日、決定の取り消しを求めて大阪高裁に保全抗告を申し立てた。民事保全法は高裁の決定に抗告できないと定めており、統合を巡る最後の司法判断になる見通し。
関西スーパーの買収を目指す第3位株主のオーケー(横浜市)が、統合を可決した関西スーパー臨時株主総会の議事運営に疑義を唱え、統合差し止めを求める仮処分を申し立てた。同地裁は差し止めを認め、その後の関西スーパーの異議も退けた。
総会では、事前に統合議案に賛成の委任状などを提出した法人株主が、当日は棄権とみなされる白票を投じ、申し出により賛成扱いに切り替わった。
地裁決定は、今回の総会は用紙による投票以外はできないとし、株主の投票行動を「棄権としか解することができない」と指摘。関西スーパーが用紙以外の事情を考慮したことを「法令違反または著しい不公正がある」とした。
関西スーパーは「仮処分決定は直ちに是正されるべき」と主張し、総会の適法性や公正性を訴えるとしている。
司法の場で審議が続いていることなどから、関西スーパーとH2Oは、12月1日に予定していた経営統合を同月15日に延期した。オーケーは高裁の判断で差し止めが確定すれば、関西スーパーに再度買収を提案するとしている。(横田良平)



















