経済
人気ラーメン、陸自めし…社員食堂に行列レシピを ウオクニが“協業メニュー”に注力
社員食堂を運営するウオクニ(神戸市灘区)は、他業態との協業メニューに力を入れている。行列ができる人気店や自衛隊駐屯地の食堂でしか味わえない料理を導入するなど、希少な味を提供して利用者を囲い込む。
同社はこのほど、運営を担う約100カ所の社員食堂で、大阪・西中島南方の人気ラーメン店「人類みな麺類」のレシピをメニュー化した。甘めのしょうゆスープにカツオ風味の油で魚介のこくを打ち出したのが特徴で、最長で4時間待ちの列ができる人気店の逸品を11月末にかけて計約6千食提供する。
30日には、国際健康開発センタービル(同市中央区)の「レストラン ハイジア」で、一般向けに50食(1杯630円)を限定販売する。
このほか、陸上自衛隊の駐屯地で好評の食堂メニューを提供。日本新三大夜景藻岩山ラーメン(北海道・真駒内駐屯地)▽三種肉ひつまぶし(愛知・守山)▽三宿丼(東京・三宿)▽伊丹飯(兵庫・伊丹)-の4品目で、同社が運営を請け負う430カ所の社員食堂と社員寮食堂で11月中に計1万食を販売する。
一般向けにはハイジアで15~18日、日替わりで1品目を1日20食(事前予約可)で提供する。
事業所の社員食堂は、コンビニ弁当や他の外食産業との競争が激化し、新型コロナウイルス禍に伴う在宅勤務の定着もあって経営環境が厳しい。同社は人気店のメニューを2014年から提供し、海上・航空自衛隊とも協業していた。
同社の担当者は「話題の味が、店に並ばずに気軽に楽しめる。全国に広がる当社の社員食堂で提供すれば、新規出店を目指す飲食店のテスト販売にもなる」としている。(大久保斉)