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兵庫県内11信金がM&Aで連携 後継不在企業の情報を共有

2021.12.04
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 兵庫県内の11信用金庫が、後継者がいない企業を別の企業に譲り渡す「小規模M&A(合併・買収)」で連携する。2カ月ごとに信金の担当者が集まり、売り手と買い手の情報を共有。条件などを精査して双方を引き合わせる。「信金王国」と呼ばれる兵庫は取引先が約8万社と多く、M&Aの成約率向上を目指す。県内の全信金が連携する取り組みは全国でも珍しい。

■地域技術や雇用流出阻止

 信金の取引先は小規模事業者が多く、経営者の高齢化による廃業の増加が見込まれる。ただ、「まだ頑張れる」という経営者が多かったり、親族や従業員の中に後継者候補がいなくて外部に相談しづらかったりするなど、信金の対応は進んでいない。

 新たに取り組む小規模M&Aで、各信金はまず、事業を第三者に譲りたいという取引先のニーズを掘り起こす。こうした売り手に、信金が自らの取引先の中から買い手を紹介(マッチング)するのが理想だが、現状では見つかりにくい。そこで買い手の範囲を県内11信金の取引先に広げ、成約につなげる方針だ。

 M&Aの専任者を置く信金は県内でもまだ少なく、当面は担当者同士のネットワークづくりや、実務手法の共有などを重点的に進める。連携組織は「しんきん事業承継ネットワーク・ハイタッチ兵庫」と名付け、11月下旬に初会合を開いた。

 同様の組織は2019年以降、岡山の7信金や島根、鳥取の6信金などが立ち上げた。兵庫の11信金は都道府県別の預金量で全国4位と規模が大きい=表。取引先の数も多いため、M&Aの増加が期待される。

 県信用金庫協会の作田誠司会長(尼崎信金理事長)は「新型コロナウイルス禍の融資対応で信金の身近さを感じてもらえたと思う。マッチングは信金の取引先同士という安心感もある。実績を重ね、地域で培われた技術や雇用の流出を防ぎたい」と話している。(高見雄樹)