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水素事業利益率15%以上 川崎重工業、30年目標

2021.12.09
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脱炭素社会の実現に向けた取り組みについて説明する川崎重工業の橋本康彦社長=東京都内(撮影・西井由比子)

脱炭素社会の実現に向けた取り組みについて説明する川崎重工業の橋本康彦社長=東京都内(撮影・西井由比子)

「グループビジョン2030進捗報告会」で会見する川崎重工業の橋本康彦社長=東京都港区、東京ポートシティ竹芝

「グループビジョン2030進捗報告会」で会見する川崎重工業の橋本康彦社長=東京都港区、東京ポートシティ竹芝

 川崎重工業(神戸市中央区)は9日、脱炭素社会の実現に向けた取り組みに関する会見を東京都内で開いた。二酸化炭素(CO2)の排出抑制につながる水素事業の営業利益率は、2030年に15%以上を目指す方針。CO2の分離回収(CC)も本格化させるとした。

 30年から大型水素運搬船建造などのライセンス供与を始めることで収益性を向上させる。40年は同事業の営業利益率を20%以上に、50年には30%以上にそれぞれ引き上げる。同年の事業規模は2兆円を見込む。

 また、自社工場の自家発電設備を水素発電に切り替えるなどし、国内事業所から排出される年間約30万トンのCO2を30年までにゼロにすることを目指す。橋本康彦社長は「政府が掲げる50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)に先立って、まずはわれわれが実現可能性を示す必要がある」と話した。

 このほか、水素燃料の船舶やバイクの開発は同業他社と連携して取り組む。

 一方、工場などの排ガスに対するCCは、22年度に関西電力舞鶴発電所などで実証実験を始める。これまでCCは「アミン溶液」と呼ばれる水溶液でCO2を吸収してきた。実証実験では、川重が独自に開発した固体吸収材を採用。コストが抑えられる利点があるといい、「新しい方法を提供してシェアを取っていきたい」と強調した。(中務庸子)