経済
関西スーパーH2O傘下に「より魅力あるスーパー目指す」 売上高4千億円、関西有数の連合に
関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)は15日、流通大手のエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループと経営統合した。関西スーパーがH2Oの子会社になり、H2O傘下の食品スーパー2社を完全子会社化。H2O全体で売上高約4千億円規模の関西有数の食品スーパー連合が誕生した。(横田良平)
関西スーパーは同日、「H2Oグループの一員となった後も、地域社会への貢献、さらなる事業成長、企業価値の向上を図り、より魅力のある関西地盤のスーパーマーケットを目指していく」とのコメントを出した。
関西スーパーとH2O傘下のイズミヤ、阪急オアシスが株式交換により統合した。H2Oは関西スーパー株の保有比率を従来の10%超から58%に高め、同社を子会社化した。関西スーパーの社長にはH2Oの林克弘副社長が就任し、福谷耕治前社長は取締役となった。
関西スーパーは来年2月に中間持ち株会社「関西フードマーケット」に移行。食品スーパー事業を引き継ぐ新・関西スーパーマーケットが発足し、福谷氏が社長に就く。関西フードが3社を束ねる。
統合により、H2Oは食品スーパーを関西に約240店展開する。一定エリア内に集中出店する「関西ドミナント戦略」を深め、新型コロナウイルス禍で主力の百貨店事業が振るわない中、食品スーパー事業を第2の柱に据える。
規模拡大による調達・物流の効率化のほか、店舗運営に強い関西スーパーを引き入れることで商品力強化も図る。ただ、体質改善を図ってきたイズミヤとオアシスの採算性向上を優先し、「関西スーパーとの統合効果が出るのは2023年度以降」としている。
統合を巡っては、最高裁が14日、統合手続きの差し止めを求めたオーケー(横浜市)の許可抗告を棄却。10月末の関西スーパー臨時株主総会で、統合議案を可決した決議を有効とする司法判断が確定していた。
林 克弘氏(はやし・かつひろ)早稲田大社会科学部卒。82年阪急百貨店(現H2Oリテイリング)。09年取締役、15年代表取締役、17年副社長。伊丹市出身。