経済
買収断念のオーケー、関西進出に意欲 早ければ23年度にも
関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市)の買収を断念した首都圏地盤のスーパー、オーケー(横浜市)の二宮涼太郎社長は16日、神戸新聞社の取材に応じ、関西進出を本格的に検討する意向を明らかにした。早ければ2023年度にも出店する方針で、「関西の方からも出店してほしいと興味を持っていただいている。期待に応えたい」と述べ、京阪神の都市部を中心とする展開に意欲を示した。
関西スーパーを巡る争奪戦を経て、関西でも知名度が上昇した。進出の具体的な時期や店舗数は未定としたが、自力で出店する場合は、土地の選定など最短で1年半ほどかかるとの見方を示した。
「時間をかけて考える話でもない。スーパーは地域と長くお付き合いする。一度出店したら、末永く支持されるよう存在感を示したい」と力を込めた。
競合他社の買収などに関しては「一緒にやりたいと思ってもらえるところがあれば」と、友好的な提案を受けた場合、前向きに検討する考えを明らかにした。
関西地域について二宮氏は、「関東に次ぐ人口規模」としてオーケーの成長に不可欠な市場と訴えた。同じく首都圏地盤で低価格業態のロピア(川崎市)が既に進出しているが「関東で競合してきた。それぞれを支持する顧客がいる」と、関西での支持拡大にも自信をのぞかせた。
関西スーパーは15日、エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループと経営統合した。二宮氏は争奪戦を振り返って「ご一緒したいと思い続けたが、もっと信頼される存在になるべきだった。こちらの努力不足」と口にした。
1株2250円の株式公開買い付け(TOB)以外の提携も浮上したが、交渉は不調に終わったという。TOBの提案に関しては「もう少し、きちんと話がしたかった」と悔しさをにじませた。
臨時株主総会のH2Oとの統合可決を受け、いったんは買収断念を表明した。決議に疑義が生じたとして司法の判断を仰いだ点には「すべての株主に影響するため、われわれだけでは判断できないと感じた。結果は残念だが、最高裁の判断を受け止める」とした。
関西スーパーについては「規模は大きくはないが、長年地域に愛されてきた存在感や、手本にさせていただいた売り場づくりが魅力」と言及した。関西に進出すれば競合相手となるが「スーパーは競い合うことで顧客にメリットが生まれ、店舗のレベルも上がる。商圏が重なれば高め合いたい」と呼び掛けた。
オーケーは今後、株式買い取り請求権を行使して、保有する関西スーパーの全株を売却する方針。買い取り価格はTOB提案で設定した1株2250円を目安に、月内から関西スーパーと交渉するという。(横田良平)



















