ひょうご経済プラスTOP 経済 兵庫でも余る生乳、廃棄回避へ躍起 淡路島牛乳「経験したことのない異常事態」

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兵庫でも余る生乳、廃棄回避へ躍起 淡路島牛乳「経験したことのない異常事態」

2021.12.29
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集乳車のタンクには、淡路島内の酪農家から集めた生乳がたっぷりと入る=南あわじ市市善光寺、淡路島牛乳

集乳車のタンクには、淡路島内の酪農家から集めた生乳がたっぷりと入る=南あわじ市市善光寺、淡路島牛乳

淡路島産100%の「淡路島牛乳」の工場=南あわじ市市善光寺

淡路島産100%の「淡路島牛乳」の工場=南あわじ市市善光寺

淡路島産100%の「淡路島牛乳」の工場=南あわじ市市善光寺

淡路島産100%の「淡路島牛乳」の工場=南あわじ市市善光寺

 全国で牛乳や乳製品の原料となる生乳が余り、兵庫県内でも大量廃棄を阻止するための動きが出ている。新型コロナウイルス禍での消費減少で在庫が膨らんだ上、冬休みで学校給食がなくなり、例年以上に多くのスーパーが三が日の営業を見送るためだ。近畿有数の産地である淡路島で唯一のメーカー、淡路島牛乳(南あわじ市)でもタンクが満杯に近づいており、会員制交流サイト(SNS)などで消費の協力を呼び掛けている。(山路 進)

 同社は、島内の酪農家約110戸の生乳を扱う。搾ってから数日後の生乳で製造できる牛乳やヨーグルト、プリンなどを販売。関西や首都圏を中心に年約1千万本分(1リットルパック換算)の牛乳を出荷する。

 今年は前年のような「巣ごもり需要」がみられず、1~11月の出荷量は前年同期から約1割減った。一方、夏の長雨続きで牛の体力が維持され、搾乳量は前年比2%余り増え、在庫は例年より多い状態が続いた。

 ただ、需要が減っても簡単に搾乳量は減らせない。しっかり搾らなければ牛が病気になり、命にも影響する。業界は乳業メーカー各社で在庫を融通する仕組みを持つが、夏の生乳増で各社の在庫調整機能は働きづらくなっている。

 淡路島牛乳は年末年始、1日約2トンの島内の学校向け出荷が消える。さらに、働き方改革で正月三が日を休むスーパーが急増。担当者は「休業の店は昨年の3倍くらい、出荷量は半分足らずになる」と推測する。

 淡路島牛乳は、年末に80トン以上が行き場を失いかねないとして、生乳の受け入れ先を模索。数日前、九州のメーカーでやむなく脱脂粉乳、バターに加工してもらうめどがつき、年明け早々の廃棄は回避できた。だが、年始の生乳の在庫は例年の2倍、約100トンに上る見通しだ。

 同社は、SNSで料理のレシピを発信するなど消費者に活用の協力を呼び掛ける。鳥井俊廣社長(73)は「当社だけでなく、全国的に経験したことのない異常事態。廃棄される生乳を出さないよう、多くの人に飲んで、料理にも使ってもらいたい」と話している。