経済
乳牛の健康、AIでチェック 生乳の成分分析「この調子で」などコメントで4段階表示
生乳の成分などをもとに乳牛の健康を診断する人工知能(AI)システムを、兵庫県淡路農業技術センター(兵庫県南あわじ市)などが開発した。これまでも健康診断法はあったが、結果は主に数値で示され、多くの酪農家が病気予防に活用しきれずにいた。新システムでは健康状態をコメントで示し、病気の早期発見や餌を与える量などが分かりやすく、生乳の増産も期待できるという。(山路 進)
同センターと、近畿2府4県の生乳を集出荷する近畿生乳販売農業協同組合連合会・生乳検査所(小野市)が共同開発した。AIを使った乳牛の健康診断は全国初という。
新システムは、生乳約30ミリリットルに含まれる血液成分に加え、新たに脂肪酸についても同検査所が月1回調べ、出産回数や出産後の日数などの個体情報と照合し、1頭ずつの健康状態をAIで診断する仕組み。
診断結果は健康状態に応じて4段階に分類した。いずれもコメントで示し、正常時は「この調子で(飼育を)」と伝える。ほかに、著しいエネルギー不足で廃用や繁殖障害のリスクがある▽搾乳量に見合う形で餌を増やし、食欲のチェックを▽(繁殖前に搾乳をやめる)乾乳が近い場合は餌の与えすぎに注意-の計4種類のコメントを用意した。
飼育する乳牛のうち、正常以外の割合が4割以上の酪農家には、獣医師などに相談するよう促すコメントも添える。
乳牛の傷やウイルスで起きる乳房炎の兆候は酪農家も気づきにくく、対処が遅れると乳量が減るだけでなく、牛の廃用につながる恐れがあるという。酪農業界では、生乳分析による健康診断が約50年前から行われてきたが、診断票には主に数値の羅列で、乳牛の健康状態が捉えにくいとの声も上がっていた。
乳牛約40頭を育てる南あわじ市の榎本安良(やすなが)さん(56)は「新システムのコメントは分かりやすく、(乳牛の異変に)すぐに対応できる」と喜ぶ。同センターの生田健太郎畜産部長(57)は「AIの診断に応じて餌の量を調節すれば、農場全体で生産を2、3割増やせるのではないか」と話している。
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