経済
兵庫県産木材活用へ新ブランド「ひょうごの木」創設 製造業者認定、ネット発信強化
兵庫県は、県内で育った樹木やそれらを材料とする製品のブランド「ひょうごの木」を創設した。家具、おもちゃなどの製造販売業者の認定制度を設けたほか、インターネットを使った発信を強化する。木材の需要が低迷しており、消費者の認知度を引き上げて、森林資源の活用を促す。(山路 進)
県内の森林面積は約55万9千ヘクタールと、県土の67%を占める。出荷に適したスギやヒノキの針葉樹が増えている一方、安価な外国産材の流入で管理されないままの森林が拡大し、大雨で土砂崩れなどを引き起こすリスクが高まっている。
県は、県内外で木材をPRする際、「兵庫県産材」や「兵庫県産木材」といった呼称を使ってきた。しかし、奈良の「吉野杉」、長野や岐阜の「木曽ヒノキ」などと比べて認知度は低く、上質の原木や木材でも思うように需要を広げられなかったという。
これまで県は、1件当たりの利用量が多い建材を中心に売り込んできた。
ひょうごの木は、県内の森林で育った樹木と、それらでできた丸太や木材、住宅、木工製品の総称と定義づける。消費者が県内の木のさまざまな製品を使うことで、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献できる点もPRする。
業者の裾野を広げようと、県は11月、「ひょうご木製品マイスター制度」を立ち上げた。ひょうごの木の商品製造や販売に携わる事業者を募り、県内外の44業者・団体を登録した。
神戸市内で開いた初会合では、これまで交流機会の少なかった約20人が、互いの製品を紹介したほか、小学校での出前授業などそれぞれの活動を発表し、交流を深めた。県産木材住宅を建てる工務店80カ所を登録する「ひょうご木の匠(たくみ)」とも連携する。
県は来年3月までに、同マイスターの有志らとともにひょうごの木のロゴマークを制作する。製品や活動の事例集をまとめて、物産展に合同で参加し、ブランド強化につなげる。
■公式インスタ開設
兵庫県は、県産木材の新ブランド「ひょうごの木」のPRに向けて、会員制交流サイト(SNS)「インスタグラム」に公式ページ(アカウント)を開設した。
今月1日付。県内の木で作られた玩具、テーブル、森林で間伐材を切り出す様子などの写真9枚と記事を掲載している。
毎週水曜日に木工製品や森林の風景などを掲載し、県の関連イベントなども随時発信する。
アカウント名は「hyogo_no_ki」。「#いいね!!ひょうごの木」のハッシュタグを付けて投稿された写真も紹介する。県林務課TEL078・362・9224