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原材料など高騰 中小企業9割超「価格転嫁は困難」  神商議調査

2022.01.14
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神戸新聞NEXT

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 原材料や資源価格が高騰する中、9割超の企業が製品を適切に値上げできていないことが、神戸商工会議所の調査で分かった。最も深刻な「ほとんど価格転嫁できない」との回答は半数を超えた。売り上げや利益が圧迫された企業は賃金を引き上げにくく、「悪い物価上昇」が進む恐れがある。

 神商議が2021年12月、会員の中堅・中小106社を調査し、74%に当たる78社が回答した。

 世界的な需要拡大による原材料・原油価格の上昇や円安に加え、新型コロナウイルス禍で港湾が混乱して物流コストが上がっている。経営への影響を聞いたところ、42・3%が「大きな悪影響」、37・2%が「多少の悪影響」があると答え、影響を受けた企業は8割を占めた。業種では食品、金属加工などのメーカーや建設業が多かった。

 これらの企業に、コスト上昇分を価格に上乗せできているのかを聞くと、55・7%が「ほとんどできていない」と回答。「半分未満」の21・3%、「半分以上」の19・7%を含め、十分に価格転嫁できない企業は96・7%に上った。

 要因(複数回答)については、消費者の低価格志向(20社)▽取引先からの要求(19社)▽競合他社が価格を上げない(同)-などが多かった。「中国の協力工場から値上げ要請があり、仕入れ原価が高騰している」という靴小売店の声もあった。

 こうした状況に神商議の國井総一郎副会頭(ノーリツ会長)は「円安とエネルギー価格の高騰でコストアップ型のインフレに苦しむ可能性がある」と危機感を強める。4日の会見では「海外企業は価格転嫁をして賃金を上げた。日本は大企業で転嫁が始まったが、中小企業には届いていない」とデフレ基調の現状を危ぶんだ。(高見雄樹)