経済
世界初の液化水素運搬船、豪州に到着 川重などが実証実験、2月に神戸帰港へ
川崎重工業(神戸市中央区)が建造し、昨年末に神戸を出港した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が目的地の豪州に到着した。現地で21日に記念式典が開かれ、関係者らが無事を喜んだ。
川重は岩谷産業などと、豪州の石炭から水素を生成し、液化して日本へ運ぶ実証実験に取り組んでいる。水素は燃やしても二酸化炭素が発生しないことから、脱炭素の切り札として注目されており、水素の供給網構築を目指している。
同船は昨年12月24日に神戸空港島の専用荷役基地を出発し、約20日で豪州南東部のヘイスティングス港に着いた。現地で設備を点検した後、液化水素をタンクに積み込み、再び神戸へ戻る。帰港は2月中旬~下旬の予定。
この日の式典では川重の金花芳則会長がビデオメッセージで「関係者の支援に感謝する。豪州の水素産業の幕開け」と力を込めた。(中務庸子)