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三菱重「水素パーク」整備へ 高砂製作所で製造、発電の流れ検証 25年商用化目指す

2022.01.26
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水素の製造と水素発電を検証できる「水素パーク」を整備する三菱重工業高砂製作所(同社提供)

水素の製造と水素発電を検証できる「水素パーク」を整備する三菱重工業高砂製作所(同社提供)

 三菱重工業はガスタービン製造主力の高砂製作所(兵庫県高砂市)に、水素の製造と、水素を燃料とする発電を実証する「水素パーク」を数年内に整備する。水素は燃やしても二酸化炭素が出ないことから、脱炭素の切り札として注目される。水素発電は世界で開発競争が進んでおり、同パークでの取り組みを通して、製品の信頼性を高めて商用化を加速させる。(中務庸子)

 ガス火力発電は、圧縮空気と燃料を燃やした熱風でタービン(風車)を回して電気を起こす。高砂は1台当たりの出力が12万キロワット以上の大型ガスタービンを製造する拠点で、年間36台の生産能力がある。

 製品の性能を中長期的に検証するため、1997年から実機の実証発電施設を保有しており、2020年7月に設備を更新した。タービン入り口の温度を1650度まで高めた出力56万6千キロワットの最新鋭設備が稼働している。

 水素パークは、同施設に隣接する約5万5千平方メートルの敷地に、水を電気分解して水素を製造する装置や水素ガスを貯蔵するボンベなどを整備する。発電設備に供給する配管も整備して、一連の流れを検証できるようにする。

 水素ガスによる発電は、空気と燃料を混ぜて燃やす「燃焼器」を専用の機器に換えて行う。水素は燃えやすいことから、炎が逆流しないよう供給ノズルの形を改良する。

 天然ガスに水素を30%の割合で混ぜて発電する実験に取り掛かり、25年の商用化を目指す。水素100%燃焼は、同年に試験を完了させる。高砂製作所の田中克則所長は「水素を作り、使うところまで実証できる世界でも画期的な拠点になる。水素の本格普及と、水素発電の実用化に貢献したい」と話している。