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今季のイカナゴのシンコ漁予報「昨年を上回るも平年下回る」 播磨灘など、資源量は依然少なく

2022.02.17
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昨年のイカナゴのシンコ漁解禁日。前年より多く取れたが…=2021年3月6日、林崎漁港

昨年のイカナゴのシンコ漁解禁日。前年より多く取れたが…=2021年3月6日、林崎漁港

 瀬戸内海に春を告げる今季のイカナゴのシンコ(稚魚)漁について、兵庫県水産技術センター(明石市)は17日、県内3海域(播磨灘、大阪湾、紀伊水道)で漁獲量は「昨年を上回るものの平年を下回る」と予報した。資源量は依然少なく、昨季までと同様に漁期の短縮などの対策を呼び掛けている。

 2021年12月~今年1月、県内3海域で行ったイカナゴの親魚や産卵、稚魚の状況調査を基に予報した。

 推定産卵量は昨季の約3倍だったが、平年値(直近10年間平均)の約2割にとどまった。稚魚数は、大阪湾で昨季の4・3倍と平年並みにまで持ち直し、播磨灘も平年の約3割に戻したが、海域で回復の度合いにばらつきがみられた。

 漁の解禁日は、漁業者が2月下旬の試験操業などを基に自主的に決める。今季は昨季(3月6日)より早まる可能性もあるという。

 シンコ漁は、17年に前年比1割以下の約千トンに急減し、20年は過去最少の147トン(速報値)、21年は1467トン(同)だった。漁業者らは、漁期を数日~約10日に短縮して資源保護に努めている。同センターは「資源量は着実に回復しているが、まだ低水準。今季も対策は不可欠」としている。(山路 進)