経済
今季のイカナゴのシンコ漁予報「昨年を上回るも平年下回る」 播磨灘など、資源量は依然少なく
瀬戸内海に春を告げる今季のイカナゴのシンコ(稚魚)漁について、兵庫県水産技術センター(明石市)は17日、県内3海域(播磨灘、大阪湾、紀伊水道)で漁獲量は「昨年を上回るものの平年を下回る」と予報した。資源量は依然少なく、昨季までと同様に漁期の短縮などの対策を呼び掛けている。
2021年12月~今年1月、県内3海域で行ったイカナゴの親魚や産卵、稚魚の状況調査を基に予報した。
推定産卵量は昨季の約3倍だったが、平年値(直近10年間平均)の約2割にとどまった。稚魚数は、大阪湾で昨季の4・3倍と平年並みにまで持ち直し、播磨灘も平年の約3割に戻したが、海域で回復の度合いにばらつきがみられた。
漁の解禁日は、漁業者が2月下旬の試験操業などを基に自主的に決める。今季は昨季(3月6日)より早まる可能性もあるという。
シンコ漁は、17年に前年比1割以下の約千トンに急減し、20年は過去最少の147トン(速報値)、21年は1467トン(同)だった。漁業者らは、漁期を数日~約10日に短縮して資源保護に努めている。同センターは「資源量は着実に回復しているが、まだ低水準。今季も対策は不可欠」としている。(山路 進)