経済
コーヒー豆の粉で皮膚の角質除去 起業女性3人、洗浄料を販売、売り上げの一部はがんの子どもへ
神戸で起業した女性3人が、環境に優しい食品由来の洗浄料「コーヒースクラブ」のPRに力を入れている。環境汚染の元となる原材料を使わず、売り上げの一部をがんに苦しむ子どもに寄付しており、社会貢献にもつながる商品として購入を呼び掛ける。(塩津あかね)
コーヒースクラブは、ばいせんしたコーヒー豆の粉を主原料とした洗浄料。皮膚の角質除去などに使われ、欧米で人気が高い。
コーヒースクラブの販売会社「MAM&d.」(神戸市中央区)を、いずれも兵庫県出身の吉田多鶴子さん(57)と恭子・ゲイフォードさん(55)、田辺明子さん(56)が2017年4月に設立した。3人は大学卒業後にアルバイト先で知り合った間柄。その後、それぞれが結婚して神戸、ニュージーランド(NZ)、東京と住む場所は離れたが、交流は続いていた。
設立のきっかけは、ゲイフォードさんが17年2月に一時帰国した際、娘のマリンさん(24)が高校時代に同級生5人と作ったコーヒースクラブを、NZ土産として2人に手渡したこと。授業の一環で開発したもので、マリンさんを含むメンバー6人が家族や親戚をがんで亡くしたことから、売り上げを地元のがん協会に寄付したという。
吉田さんと田辺さんがコーヒースクラブを使ってみたところ、刺激を感じることなく角質を取り除くことができたため、土産を手にした2カ月後に「MAM&d.」を設立。自社でスクラブを開発した。
原材料は、国内で粉状に細かくひいたコーヒー豆のほか、ココアやNZ産のアボカド油などを配合している。肌の弱い人はスクラブに含まれる塩が刺激となる場合もあり、肌に優しいマグネシウムを使用した。ほかに、抹茶と桜エキスを加えた商品も用意した。角質除去のために使われることが多いマイクロプラスチックを使用せず、コーヒーや抹茶が研磨剤の役割を果たす。価格は2200円(100グラム入り)。
自社のオンライン通販とアマゾンでも扱う。社長の吉田さんは「マイクロプラスチックが環境問題になっており、商品の認知度を高めたい」としている。
MAM&d.TEL078・200・5235




















