経済
【記事更新】就活が本格始動 縮小から一転、売り手市場か 企業の説明会解禁
2023年春卒業の大学生らの採用に向けた会社説明会が1日解禁され、兵庫県内でも就職活動が本格化した。新型コロナウイルス禍で3年目の春。昨年コロナの影響で採用が縮小した反動から、学生優位の「売り手市場」になるとの見方が広がる。当初はオンラインが主流になるとみられるが、学生との相互理解を深めようと、対面への切り替えを模索する企業も多い。(まとめ・大島光貴)
同日、甲南大(神戸市東灘区)主催のオンライン合同説明会に参加したみなと銀行(同市中央区)は、入社2年目の採用担当者がパソコンの画面越しに学生計約50人と向き合った。
担当者は社内に231人の卒業生がいることを紹介し、同大との縁の深さを強調。地方銀行の魅力や働きやすさをアピールした。「活躍する人の共通点や求める人物像は」「顧客と信頼関係を築く上で意識していることは何か」などの学生の質問に丁寧に答えた。
主に金融業界を志望しているという3年の河添理子さん(21)は「オンラインは対面より伝わりにくい。自分を知ってもらえるよう、伝え方や表情を工夫していきたい」と語った。
「オンラインは遠方の学生にアプローチできる利点がある」と歓迎するのは金属加工のカルモ鋳工(同市西区)。3月下旬にウェブで、4月以降に対面での説明会も計画している。
環境装置メーカーのタクマ(尼崎市)は昨年、対面と併用で会社説明会を始めた。参加者の比率は8対2でオンラインが多く、説明会に参加する学生は例年に比べ大幅に増えたという。同社は「出張の必要がなく、少ない人員でも対応しやすい。人柄や考え方が分かるような質問を増やし、ミスマッチは起こっていない」とする。
一方、対面での活動再開を検討する動きも目立つ。
この日、自社の採用サイトで選考受け付けを始めた神戸製鋼所(神戸市中央区)。昨年の採用活動は全てオンラインで行ったが、担当者は「コロナの状況が許せば、対面の機会を設けたい」と話す。新入社員から「魅力的な社員の人柄で入社を決めた」との声をよく聞くといい、画面上だけのやりとりで学生との接点が希薄になり、内定辞退につながるのを危惧する。
スポーツ用品大手のアシックス(同市中央区)もこの2年、オンライン主体の採用活動だったが、今年は対面の機会を増やす予定。人事担当者は「直接来てもらうことで、会社や社員の雰囲気を感じ、働くイメージを持ってもらいやすくしたい」と狙いを語る。
電炉大手の大和工業(姫路市)のように、オンラインのみで説明会を開きつつ、最終面接は対面で行う企業もある。同社は「製造業なので、面接の際には工場など現場の様子を見てほしい」としている。



















