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UCC、山梨に新工場建設 脱炭素なコーヒー製造へ 水素による焙煎技術を開発

2022.03.02
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神戸新聞NEXT

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 UCC上島珈琲(神戸市中央区)は2日、山梨県笛吹市に新工場「UCC山梨焙煎所」を建設すると発表した。2024年上期の稼働を予定。ガスを水素で代替する焙煎技術の開発や再生可能エネルギーの活用でカーボンニュートラルの実現を目指し、新たな時代のコーヒー製造に取り組む。

 新工場は同社の中でも最大級といい、敷地面積約3万4800平方メートル、延べ床面積1万2千平方メートル。総事業費は143億円を見込む。兵庫県内外の5カ所にある焙煎工場のうち、老朽化や製造効率向上を念頭に、富士工場(静岡県)と北関東工場(埼玉県)の機能を統合し、新工場に集約することを決めたという。

 レギュラーコーヒーなどのほか、コーヒーマシン用の「カプセル」や1杯ずつ入れる「ワンドリップ」などを手掛け、高付加価値製品の強化を図る。

 ガスの代わりに水素を熱源とする技術開発は、山梨県や電力会社などと連携して推進。水素焙煎のテスト機を開発し、23年の実用化を目指す。焙煎所内の電気は全て再生可能エネルギーで賄い、30年に二酸化炭素(CO2)の排出量を51%削減、40年には100%削減を目標とする。同社は「業界をリードする取り組み。カーボンニュートラルの達成に向けチャレンジする」とする。(赤松沙和)