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アバターが接客、無人野菜販売を開始 JR西グループがロボット学者・石黒氏の新会社と連携

2022.03.07
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アバターが接客する無人野菜販売コーナー=大阪市北区、JR西日本

アバターが接客する無人野菜販売コーナー=大阪市北区、JR西日本

 JR西日本グループの新規事業投資会社は、大阪大大学院の石黒浩教授がロボットの応用技術を実用化するために設立した会社「AVITA」(アビータ、東京)と連携して、無人の野菜販売事業に乗り出す。モニターに映し出された自らの分身(アバター)を遠隔操作して接客し、駅などで野菜を販売する試み。7日、JR西本社ビル(大阪市北区)で試験販売を始めた。

 買い物客がモニターに向かって「お薦めはありますか」と話し掛けると、「淡路島産のタマネギがお薦めです。甘くておいしいですよ」と、女性の容姿をしたアバターが返事をした。

 タマネギやイチゴ、ポンカンやレモンなど近郊の朝採れ野菜、果物が並ぶ売り場で、アバターの女性とやり取りし、買い物をしていく。現金かスマートフォン決済の「PayPay(ペイペイ)」で支払い、有人販売とほとんど同じように買い物ができる。

 JR西日本グループの新規事業投資会社「JR西日本イノベーションズ」(大阪市)と、障害者雇用の「JR西日本あいウィル」(兵庫県尼崎市)が昨年3月からJR尼崎駅構内を中心にJR西管内で展開している「○○駅の八百屋さん」事業の一環。今回は、新たにAVITAと連携した。野菜の仕入れ、搬入などで障害者の仕事を増やすとともに、一つの拠点から複数の売り場を対象に遠隔対応する無人販売の可能性を探る。

 「駅構内やオフィスビルなど利便性の高い場所でアバターを活用する新たな販売・購買方法と、多様な働き方の創出を目指す」とJR西日本イノベーションズの担当者。試験販売を経て管内の駅やオフィスビルなどでの事業拡大を目指す。(西井由比子)