経済
海上自衛隊の最新鋭潜水艦「たいげい」引き渡し 三菱重工神戸で式典
最新鋭潜水艦「たいげい」の海上自衛隊への引き渡し式が9日、神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所であった。「たいげい」型の1隻目で、先代の「そうりゅう」型に比べ、水中音波探知機(ソナー)の探知能力や船体の静粛性を高めた。横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備される。
全長84メートル、幅9・1メートルで、基準排水量は約3千トンで国内最大。建造費約800億円。乗員は約70人で、女性用の寝室も備える。今回の就役により、政府が中国の海洋進出などを念頭に防衛大綱で掲げた潜水艦22隻体制が整った。
式典には防衛省や三菱重工関係者ら計約150人が出席。同社の阿部直彦常務執行役員が中曽根康隆防衛大臣政務官に引き渡し書を手渡した。
中曽根氏は訓示で、北朝鮮や中国に加え、ロシアのウクライナ侵攻に触れ、「わが国を取り巻く安全保障環境はこれまで以上に厳しい現実に直面している。『たいげい』への期待は極めて大きい」と強調した。
潜水艦は、同造船所と川崎重工業神戸工場(神戸市中央区)が交互に建造している。(大島光貴)