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神鋼の石炭火力4号機、来月火入れへ 年度内本格稼働向け、7月後半から試運転

2022.03.22
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神戸製鋼所の神戸発電所(中央)。4号機の火入れを4月に行うことが明らかになった=神戸市灘区、摩耶山中腹から

神戸製鋼所の神戸発電所(中央)。4号機の火入れを4月に行うことが明らかになった=神戸市灘区、摩耶山中腹から

 神戸製鋼所(神戸市中央区)が神戸市灘区の石炭火力発電所で増設中の4号機で、4月に試運転に向けた「火入れ」を予定していることが22日、分かった。7月後半ごろから試運転などを行い、2022年度中に本格稼働させる。

 神鋼は2月、先に増設した3号機の営業運転を開始。既存の1、2号機と合わせた計4機の総出力は計270万キロワットで、神戸市のピークの電力需要(約200万キロワット)を大きく上回る。

 神鋼によると、4号機は4月中下旬に、ボイラーに点火。火入れの後、営業運転に向けて配管内に蒸気を通し、各種試験や試運転などを行って、騒音対策を講じる。同社は「関係法令を順守し、周辺環境に配慮して進める」としている。

 増設を巡っては、同社の環境影響評価(環境アセスメント)を認めた国の確定通知を取り消すよう住民らが行政訴訟を起こしたが、大阪地裁は訴えを退けた。住民らは大阪高裁に控訴し、建設や稼働の差し止めを求める訴訟も神戸地裁に起こしている。

 二酸化炭素(CO2)排出量の多い石炭火力発電には、国内外で批判が強まる。神鋼は50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)を掲げ、電力事業では、最終的にアンモニアだけを燃料にする研究を進める。(堀内達成、大島光貴)