経済
約40年ぶりのトップ交代 江崎グリコ新社長が就任会見
江崎グリコ(大阪市)の社長に就任した江崎悦朗氏(49)は24日、大阪市の本社で記者会見し、「商品力を高めて、価値を創造する体制や仕組みづくりに取り組み、グループを持続的に成長させていく」などと抱負を語った。悦朗氏は、前社長の江崎勝久氏(80)の長男で、約40年ぶりのトップ交代となる。
悦朗氏は「創意工夫によっておいしさと健康を提供するという創業者のDNAを受け継ぎ、事業を通して社会貢献するグリコグループを築いていく」と強調。2月に創業100年を迎え、新たに定めた社の存在意義(パーパス)「すこやかな毎日、ゆたかな人生」やビジョンを発表した。
2024年12月期には売上高を全社平均で3~5%、営業利益を5~10%成長させることを目標に設定。現在の業績について、好調な海外事業に比べて国内が伸び悩んでいるとし、「お客さまの求めるものを把握して、環境の変化への対応を強化する」と話した。
また、神戸市西区に製造工場と見学施設がある兵庫県内での今後の展開について「神戸市とは以前から包括連携協定を結んでおり、災害対応や人材育成に取り組んできた。地域との結び付きは深い。今後も何かできるのでは」と述べた。
同社は同日、大阪市内で定時株主総会を開催。悦朗氏は2004年に入社し、アジアでの事業展開などをリードしてきた。勝久氏は代表権のある会長に就いた。
勝久氏は「これまで社長を続けてこられたのは皆さまのおかげ」とあいさつ。「(悦朗氏は)グリコグループを引っ張っていくのにふさわしい人物だ」と期待感を示した。(赤松沙和)