経済
酒米・山田錦で水出し専用の玄米茶 灘五郷の蔵元が開発 「料理を引き立てる味わい」
灘五郷の蔵元、安福又四郎商店(神戸市東灘区)は、兵庫県産の酒米山田錦を使った水出し専用の玄米茶「88」を開発した。極上の日本酒を醸せることで知られる山田錦だが、開発の過程で焙煎しやすさなど玄米茶に向くことも明らかに。酒米の玄米茶は全国的にも珍しく、米の豊かな香りやうま味で、料理を引き立てる味わいに仕上げた。
クラウドファンディング(CF)サイト「Makuake(マクアケ)」で応援購入できる。
「おいしい料理に合うノンアルコールがほしい」。開発は、同社の広報担当者が妊娠、出産でお酒が飲めなくなったことがきっかけだった。
ソフトドリンクには、強い味や香り、炭酸など料理とぶつかるものも多い。料理と楽しめる日本酒の原料ならばと、酒米の活用を模索。純米大吟醸のように透き通った水出しの玄米茶にたどり着いた。
使う茶葉や米の煎り具合、配合量などを試行錯誤。その中で、大粒で加熱するとばらける山田錦は砕けにくく、煎りやすい上、香りも豊かで、玄米茶に最適なことも分かったという。
商品名は、八十八歳なども表す「米」、茶摘み時の「八十八夜」にちなんだ。静岡県産の茶葉を使い、山田錦とともにどちらも有機栽培。水出しの玄米茶は通常のお茶よりカフェインが少ないといい、担当者は「休肝日や妊娠中、家飲みなどで、料理と合わせて楽しんでほしい」とPRする。
ティーバッグ9個と茶葉50グラムのセットで3300円など。CFサイトでの販売は3月28日まで。春以降の一般発売を目指す。同社TEL078・851・0151(赤松沙和)