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女子大生3人が「CFO」就任 ホテル運営のホロニック 企業の未来に提言、最高責任者に

2022.04.01
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任命式後に意見を交わす(左から)長田一郎社長と八木くるみさん、石川実奈さん。画面は池内風佳さん=神戸市東灘区向洋町中、ホロニック

任命式後に意見を交わす(左から)長田一郎社長と八木くるみさん、石川実奈さん。画面は池内風佳さん=神戸市東灘区向洋町中、ホロニック

 ホテル運営のホロニック(神戸市東灘区)のCFOに1日、19~20歳の大学生3人が就いた。CFOと言っても最高財務責任者ではなく「Chief Futureship Organizer(チーフ・フューチャーシップ・オーガナイザー)」。日本語で「未来創造最高責任者」を指す。若い世代の価値観で、社会に役立つ事業のあり方を会社と共同で研究。毎月の取締役会で経営陣に提言する。(広岡磨璃)

 3人は期間限定の臨時社員で任期は1年。年俸50万円と活動費が支給される。

 狙いについて「私たちの年代にとって義務や関心の対象であるSDGs(持続可能な開発目標)などの概念は、若い人たちは歯磨きのように、当たり前に触れている」と54歳の長田一郎社長。「『まだペットボトル(飲料)を使っているんですか』といった提言があるかもしれない。会社や自分が未来に向けて今、何が欠けているかを突き付けてほしい」と期待をかける。

 今年2月、20歳以下限定で募集。6人の応募があり、文書や面接で選んだ。就任した3人はいずれも同志社大の学生で、3年の石川実奈さん(20)=大阪府枚方市=と八木くるみさん(20)=滋賀県草津市、2年でカナダに留学中の池内風佳さん(19)。4月1日には同社で、新入社員3人の入社式と合わせて任命式があり、任命書と名刺を受け取った。池内さんはオンラインで参加した。

 CFOたちが自ら課題を設定し、取締役会への出席や同社の交流サイト(SNS)での発信を除いては活動内容は自由。池内さんは「学生に力はないが、ホロニックという会社と一緒なら社会を変えることにも取り組める。組織の論理にとらわれず、改善すべき点は指摘していきたい」と話した。