経済
オンライン採用、導入75% 兵庫県内の主要企業 受験者増え「今後も継続」多数
兵庫県内の主要企業を対象に神戸新聞社が実施した2023年春の大学・大学院新卒者採用計画アンケートで、採用活動にオンラインを導入、導入予定とした企業は8割近くに上った。遠方の学生もエントリーしやすく受験者の増加につながっており、コロナ後も継続活用を考える企業が多数を占めた。
■インスタやTikTok活用も
アンケートには169社が答えた。
オンライン採用の実施率は、一部も含めて75・7%(128社)だった。導入時期は、新型コロナウイルス感染拡大後の21年春が91社と7割余り。その後も22年春に16社、23年春からも2社が導入を予定するなど利用が広がる実態を裏付けた。
メリットでは「面接日時の調整がしやすい」(情報通信)、「対面ではアプローチできなかった学生と接点を持てる」(金融)などが挙げられた。一方、「合否の判断基準が難しい」(アパレル)や「会社の雰囲気が伝わりにくい」(鉄鋼)など課題も多い。最終面接だけを対面形式とする企業も目立った。
人材獲得の方策(複数回答)では、「ウェブのセミナーや試験、面接の導入」が78・7%と2番目に多かった。採用のミスマッチを防ぐため、オンラインでの会社見学を実施する企業もあった。高齢化が進む社内で若手を増やそうと、デジタル環境に慣れ親しむ20歳前後の「Z世代」を意識し、インスタグラムやTikTok(ティックトック)など写真・動画投稿アプリを活用する企業もあった。
最多の実施策は「就職情報会社の活用」で81・1%。その他、インターンシップの導入=66・9%▽通年採用=33・1%▽中途採用の強化や氷河期世代の採用=32・5%▽交流サイト(SNS)の活用=26・0%-など。企業が指名する「逆求人採用」(16・6%)は前年の倍近くに増えた。
内定時期は、政府が求める就活のルールで、面接解禁となる6月より前に内定や内々定を出した企業が65・7%。前年(63・2%)からほぼ横ばいだった。
社内でのテレワーク導入率は、最多が「3割未満」の37・9%、「7割以上」は5・3%だった。実施・実施したことのある企業は74・0%(125社)と前年より17・3ポイント増えた。
導入企業の多くが、ワークライフバランスの充実や業務効率化などの利点を挙げ、制度化した社もあった。だが継続を考える企業でも「職種の違いによる不公平感」(化学)や「勤怠管理が難しい」(食品)、「コミュニケーションの低下」「機器の不足」など多くの課題が示された。
働き方に関して実施済みか1年以内に導入予定の方策(複数回答)は、「ハラスメント対策」(65・7%)が最も多く、「非正規社員の正社員への転換」(55・0%)、「同一労働同一賃金」(53・3%)、「70歳までの雇用継続」(15・4%)などが続いた。(赤松沙和)



















