ひょうご経済プラスTOP 経済 北播磨産のアスパラ 甘く柔らかく、そして新鮮 神戸・阪神間で好評 5年目で出荷4倍に

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北播磨産のアスパラ 甘く柔らかく、そして新鮮 神戸・阪神間で好評 5年目で出荷4倍に

2022.04.19
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育ったアスパラガスを刈り取るJA兵庫みらいの職員=加西市三口町

育ったアスパラガスを刈り取るJA兵庫みらいの職員=加西市三口町

神戸新聞NEXT

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直売所に並んだアスパラガス「みらいちゃんアスパラ」=加西市豊倉町、かさい愛菜館

直売所に並んだアスパラガス「みらいちゃんアスパラ」=加西市豊倉町、かさい愛菜館

 JA兵庫みらい(兵庫県加西市)が加西、小野、三木の3市で産地化を進めるアスパラガスの出荷が、5年目を迎え、今年も春の若芽が店頭に並んでいる。出荷量は2018年の約5トンから、22年は約4倍の約20トンに増える見込み。同JAではさらに収量を増やそうと、栽培方法を工夫するなど試行錯誤を続ける。(森 信弘)

 関西は、アスパラの大きな産地がない一方で、神戸、大阪、京都など大きな消費地を抱える。単価が高く、ハウス栽培だと管理しやすいため、農家の所得を増やす作物になるのでは-と、同JAが16年から試験栽培を始めた。18年2月に出荷が始まり、5月に生産部会も発足させた。

 アスパラは多年草で、ハウスなら収穫時期は2~10月ごろ。10年ほど植え替えをせずに収穫できる。

 3市では、主に有機肥料を使って育て、同JAが栽培講習会や生育を確認するための巡回を実施。ハウス1棟の設置費用の半額(上限50万円)を支援したり、機械を導入して選別作業を担ったりするなどサポートに力を入れている。同JA管内の直売所や神戸、阪神間のスーパーで流通し、甘くてやわらかく新鮮で、好評だという。

 最終的には、3市全体で、販売額が1億円、栽培面積が500アールを目指す。21年はJAを含む25の生産者が栽培し、販売額は約1800万円だった。面積は、18年の42アールが22年には114アールまでに増えたが、伸びは鈍化している。

 同JAは、収量の増加を目指して実験用ハウスで今年から新たな試みを始めた。通常は、夏以降もアスパラの収穫を続けるため、4月上旬から茎を育て始めるが、今年は少しでも多く春の若芽を収穫しようと、茎を育て始める時期を2週間ほど遅らせている。

 露地栽培のアスパラが市場に出るのは5月ごろになるため、それまでに出荷するハウスの「春芽」は高く売れるという。

 また、今年は、ハウスより低コストで、収穫時期が違う露地栽培にも挑戦してみるという。

 同JAの担当者は「生産者がもうかったと実感できれば栽培が広がる。新たな取り組みを続けていきたい」と話している。