ひょうご経済プラスTOP 経済 財界の拠点、築70年「神戸銀行協会」建て替えへ 名建築、オフィスビルに 23年7月着工

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財界の拠点、築70年「神戸銀行協会」建て替えへ 名建築、オフィスビルに 23年7月着工

2022.04.22
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建て替えが決まった神戸銀行協会ビル。建築家長谷部鋭吉の意匠が光る。約70年にわたって地元経済界の活動を支えてきた=神戸市中央区江戸町(撮影・三津山朋彦)

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神戸銀行協会ビルの建て替えに伴い、新たに建設されるビルの完成予想図(神戸土地建物提供)

神戸銀行協会ビルの建て替えに伴い、新たに建設されるビルの完成予想図(神戸土地建物提供)

財界人が会議や会食に利用してきた神戸銀行倶楽部。金融界と産業界をつないできた=神戸市中央区江戸町、神戸銀行協会(撮影・三津山朋彦)

財界人が会議や会食に利用してきた神戸銀行倶楽部。金融界と産業界をつないできた=神戸市中央区江戸町、神戸銀行協会(撮影・三津山朋彦)

神戸銀行協会ビルの正面に掲げられている金属製のプレート。時をへた重厚さが感じられる=神戸市中央区江戸町(撮影・三津山朋彦)

神戸銀行協会ビルの正面に掲げられている金属製のプレート。時をへた重厚さが感じられる=神戸市中央区江戸町(撮影・三津山朋彦)

 神戸銀行協会(神戸市中央区、24行加盟)は、神戸・旧居留地の同協会ビルを建て替える。カトリック芦屋教会(芦屋市)など数々の名建築で知られる建築家長谷部鋭吉(1885~1960年)が手掛けた。地元経済界の交流拠点として親しまれてきたが、建築から70年余りがたち、老朽化が目立つことから改築を決めた。新しいビルは地上11階、地下1階建て。2023年7月に着工、25年4月に完成する。(加藤正文)

 同協会ビルは1951(昭和26)年にできた。鉄筋コンクリート地上4階、地下1階。長谷部は、設計大手「日建設計」(東京)の母体、「長谷部竹腰建築事務所」の創業者の一人として知られる。作品は住友ビルディング(大阪市)や大阪カテドラル聖マリア大聖堂(同)、泉屋博古館(京都市)など数多い。

 外壁はクリーム色で、1階南面には大理石の列柱が続く。丸や横長、縦長とさまざまな形の窓が目を引く。神戸銀行倶楽部も入り、財界人らの社交の場として使われてきた。手形交換所のほか、64年には神戸経済同友会も入り、財界の拠点にもなってきた。

 新ビルの総事業費は38億円。名称は未定だが、プロジェクト名は「神戸旧居留地91番地プロジェクト」。事業主体は神戸土地建物(神戸市中央区)が担い、高さ49メートル、延べ床面積7760平方メートル。低層部の外壁は、旧居留地の景観になじむよう茶色のタイルを張り、1階はガラス張りの店舗にする。2~11階は賃貸のオフィス物件にする。

 現在の神戸銀行協会ビルに入る神戸銀行協会と神戸経済同友会は今年11月、いずれも同じ旧居留地にある三井住友銀行神戸本部ビルに移転する。手形交換は全国銀行協会が同月に電子化する予定。