経済
工事現場彩るカラフルアート 神戸の街並み、独創的に表現 中学生作家が描く
障害のある作家の作品を工事現場の仮囲いに展示する「ソーシャル・アート・ミュージアム」が神戸市東灘区のJR住吉駅近くに登場した。沖縄・首里城の再建を願う独創的な絵画で話題になった柳生千裕さん(13)=兵庫県西宮市=が手掛けた絵画を展示。工事が終わる10月ごろまで続ける。
三井住友銀行が社員寮の建て替え工事に合わせ、障害のある作家と契約して作品を販売するヘラルボニー(盛岡市)と協力し実現させた。同社は2019年から全国で同ミュージアムを開催。兵庫県内では今回が初めてで、関西でも昨年の大阪市に次ぎ2回目となる。
作品は、神戸ハーバーランドから見た市街地の風景を描いた「夕日に染まる神戸の街並み」など6枚で、2カ所に分けて展示している。JR神戸線沿いに飾られた2枚は縦3メートル、横5メートルの大きな絵で、車窓からもよく見える。展示する絵は近くの住吉小と甲南小の児童らが投票で選んだ。
柳生さんは西宮市の中学校に通っており、自閉スペクトラム症(ASD)がある。同ミュージアムへの出展は3回目。初の地元開催に「絵を見て楽しい気持ちになってもらえたら」と話した。
ヘラルボニーは現在、153人の作家と契約し、常設店舗もある。松田崇弥社長(30)は「関西にも23年度中に拠点を設け、作品を紹介する機会を増やしたい」と語った。(高見雄樹)