経済
「お風呂が沸きました」 あのメロディー、声を無限に楽しめるサイトが登場
軽やかなクラシック音楽とともに流れる「お風呂が沸きました」の女性の声。「もっと聞きたい」という利用者の要望に応え、給湯器大手のノーリツ(神戸市中央区)は、湯を張らなければ聞けないフレーズを何度でも楽しめる特設サイトをつくった。
同社には「子どもがリモコンを何度も押したがる」「なぜかやみつきになる」など多数の声が寄せられていたという。
サイト名は「無限∞湯沸かしボタン」。給湯器の画面を細部まで再現したスイッチで起動する。「○回お湯はりをしました!」と表示され、沸かした湯量も「押し入れ5個分」「大型タンクローリー1台分」などと知らせる。
音声ができたのは1997年。視覚障害者にお湯張り完了を伝えようと、同社が業界で初めて導入した。音楽はドイツの作曲家テオドール・エステンのピアノ曲。スタンダードとして親しまれる「人形の夢と目覚め」の第2部「夢を見ているところ」の一節だ。
2017年に特許庁の「音商標」に出願し、一度ははね返された。だがテレビCMなどで広く知られる実績を粘り強くPRし、昨年3月に登録された。
昨秋にはバンダイ(東京)と組み、メロディーが流れる給湯器リモコンのミニチュア玩具を約9万個発売。入手困難という人気ぶりという。
遊び心あふれるサイトに仕上げた担当者は「細部までこだわった。ボタンを何回連打できたか、ぜひツイッターでもシェアして」と呼び掛けている。(大盛周平)