ひょうご経済プラスTOP 経済 神鋼が低CO2高炉鋼材「コベナブル・スチール」発売 独自製鉄法で排出量2割減

経済

神鋼が低CO2高炉鋼材「コベナブル・スチール」発売 独自製鉄法で排出量2割減

2022.05.17
  • 印刷
神戸製鋼所が販売を始める「Kobenable Steel」のロゴ(神鋼提供)

神戸製鋼所が販売を始める「Kobenable Steel」のロゴ(神鋼提供)

神戸製鋼所独自の製鉄法で高炉に投入する還元鉄(神鋼提供)

神戸製鋼所独自の製鉄法で高炉に投入する還元鉄(神鋼提供)

神戸製鋼所の生産拠点の中で唯一、高炉がある加古川製鉄所の高炉=加古川市金沢町

神戸製鋼所の生産拠点の中で唯一、高炉がある加古川製鉄所の高炉=加古川市金沢町

 神戸製鋼所(神戸市中央区)は17日、高炉を使って、二酸化炭素(CO2)排出量を従来より2割減らす独自の製鉄法を活用した「低CO2高炉鋼材」の販売を始めると発表した。同製鉄法によるCO2削減量の第三者認証も取得。脱炭素に向けた環境負荷低減をPRし、今秋以降の本格的な納入を目指す。(大島光貴)

 神鋼は4月、英国の認証機関から、2020年度に同製鉄法でCO2排出量を約2万1千トン削減したとする認証を取得。この削減量を割り当て、全量削減と50%削減の2商品を用意する。同社によると、削減量の第三者認証を受けた鋼材の商品化は国内初という。

 ブランド名は、神戸と、持続可能を指す英語「サステナブル」を合わせた「Kobenable Steel(コベナブル・スチール)」。薄板や厚板、線材・条鋼製品を販売する。

 高炉では、石炭から作ったコークスを燃やし、溶かした鉄鉱石から酸素を除いて鉄を作る。この過程で酸素と炭素が結びつき、粗鋼1トンを作るのに2トンのCO2が発生。加古川製鉄所(加古川市)の高炉の排出量は年1200万トン前後と、同製鉄所内の80%を占める。

 20年には、コークスを天然ガスで酸素を取り除いた還元鉄に置き換え、高炉からのCO2排出量を約20%抑える実証に成功。ただ、この製鉄法は従来よりコストがかさみ、新商品は既存の鋼材より割高になる。

 販売価格は今後、各取引先との商談で決めるという。木本和彦執行役員は「CO2を削減した鋼材に顧客がどういったバリュー(価値)を認めるか。大きな需要があると思う」と話した。

 神鋼は昨年発表の中期経営計画で、30年に生産工程で出るCO2を13年度比30~40%減らす目標を掲げた。うち3、4割を今回の製鉄法で実現する考えで22年度から、高炉での還元鉄の使用量を順次増やすという。