経済
三菱電機、不正「意図的」が66件 判明分の45% 管理職も把握、是正せず
三菱電機の一連の検査不正問題で、これまで明らかになった不正行為計148件のうち、従業員による意図的なものが66件に上った。多くがインフラ関連製品を扱う部門に集中。外部の弁護士らでつくる調査委員会は「不正が当たり前になって惰性で続けていた可能性がある」として、背景を調べている。
同委によると、不正行為には、意図的なものと、「うっかりミス」などの過失があった。意図的な不正行為を事業本部別に見ると、ダムや水道設備、鉄道などに関わる「社会システム」が33件、発電機や変圧器などを扱う「電力・産業システム」が10件で、インフラ関連が大半だった。
兵庫県内の拠点でも、管理職による指示や関与を伴う意図的な不正が判明した。自動車関連部品をつくる三田製作所(三田市)では、人員や設備が不足しているとして、バルブ製品で決められた検査をしないまま、架空の結果を顧客に報告。不正は2011年から約10年間に及び、管理職も把握していながら是正していなかった。
調査委の木目田裕委員長は25日の会見で「BtoB(企業間取引)で顧客と長い付き合いがあり、任せてくれることに甘えてしまったのでは」とした。
調査は対象の22拠点のうち、兵庫県内7拠点を含む計14拠点で継続中。調査委は22年秋ごろの完了を目指している。(大盛周平)