調理した「黄金の鶏油しょうゆらーめん」＝神戸市中央区海岸通５、ケンミン食品

ケンミン食品の高村祐輝社長（右）とボストンからオンラインで質問に応じる大西益央さん＝神戸市中央区海岸通５、同社

乾麺の「ＧＦ中華麺（中太麺）」＝神戸市中央区海岸通５、ケンミン食品

　ビーフン最大手のケンミン食品（神戸市中央区）は、１９５０年の創業以来初となるラーメンを開発した。ビーフンと同じタイ産のコメを原料に、小麦粉を使わない「グルテンフリー」商品。小麦アレルギーなどで食事制限がある人のほか、食生活に取り入れる人が増える中、同社は「誰もが安心して食べられる一杯に」とＰＲしている。

　世界的に拡大するグルテンフリー市場を狙って２年前、米国ボストンで人気ラーメン店を営む大西益央さんと開発に着手した。

　麺には、ラーメンの製麺で使う炭酸カリウムなどのアルカリ性添加物「かんすい」を加える。配合のバランスや加熱や熟成の時間調整などで試行錯誤を重ね、ラーメン独特のコシと風味を再現したという。

　２年がかりで仕上げた商品は、冷凍ラーメン「黄金の鶏油しょうゆらーめん」（２食入り２６００円）。宮崎県の地鶏「みやざき地頭鶏」でだしを取ったしょうゆベースのスープ、調理麺とチャーシューとメンマのセットで、ゆでるだけで簡単に食べられる。乾麺の「ＧＦ中華麺（中太麺）」（１０袋２１８０円）も用意した。

　冷凍ラーメンは、同社の麺製造の子会社フジケンミンフーズ（静岡県）の工場で製造。同工場は今春から、小麦由来の原料を使用しない完全グルテンフリー化し、米国機関の認証取得も申請中という。

　味などを監修した大西さんは「コシと風味を再現した本格的な味わいにできた。ラーメンを諦めていた人にも届けたい」。ケンミン食品の高村祐輝社長は、小麦の高騰に触れ「普通のラーメンが食べられなくなるかもしれない。食の多様性につなげられれば」と話した。

　専用のＥＣサイト「ＧＦ　ＲＡＭＥＮ　ＬＡＢ（グルテンフリー・ラーメン・ラボ）」で販売している。（赤松沙和）