ひょうご経済プラスTOP 経済 検査不正、脱炭素対応問う 兵庫県内企業73社の株主総会終了 三菱電機やG-7HD、ガバナンスに厳しい声

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検査不正、脱炭素対応問う 兵庫県内企業73社の株主総会終了 三菱電機やG-7HD、ガバナンスに厳しい声

2022.06.30
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神戸製鋼所の株主総会会場に入る株主ら=22日、神戸市中央区港島中町6

神戸製鋼所の株主総会会場に入る株主ら=22日、神戸市中央区港島中町6

三菱電機の株主総会で発言する漆間啓社長を映す画面=29日午前、東京都千代田区(撮影・末永陽子)

三菱電機の株主総会で発言する漆間啓社長を映す画面=29日午前、東京都千代田区(撮影・末永陽子)

 3月期決算企業の定時株主総会の開催が29日、ピークを迎えた。兵庫県内の7拠点を含む15拠点で製品の検査不正が発覚した三菱電機(東京)や前社長が逮捕されたG-7ホールディングス(HD、神戸市須磨区)では、株主から企業のガバナンス(組織統治)に厳しい声が上がった。同日までに県内に本社・本店を置く上場73社が総会を終え、「物言う株主」による提案や、脱炭素社会に対する姿勢への質問も目立った。(まとめ・大島光貴)

 ■追及

 全国の拠点で148件の不正が判明した三菱電機。都内で開いた定時株主総会は3時間に及んだ。冒頭、漆間啓社長は「多大なご迷惑をかけたことを改めて深くおわびする」と陳謝。「重く受け止め、信頼回復に向けて全力で取り組む」と力を込めた。

 質疑では、株主から経営陣への責任追及が続いた。「不正に関わった人たちは処罰しないのか」「不正を知る役員はいなかったのか」などの質問に、漆間社長らは「しかるべき処分をしている」「役員が関与した事実はないが、明らかになれば適切に対応する」と説明。「うみを出し切ってほしい」と求める協力会社関係者もいた。

 4月に当時社長だった木下智雄(のりお)氏が酒気帯び運転容疑で逮捕され、翌月辞任したG-7HDは神戸市西区で総会を開いた。出席した株主によると、金田達三(たつみ)会長兼社長は「ご迷惑をおかけした」と謝罪。株主からはカー用品店「オートバックス」のフランチャイズ契約への影響や、ガバナンスを問う声が上がったという。

 川崎重工業(神戸市中央区)の24日の総会では、子会社で発覚した検査不正を、橋本康彦社長がおわび。「二度と引き起こさないよう、徹底した再発防止に取り組む」と誓い、全役員が頭を下げた。

 同じく検査不正などで揺れた神東塗料(尼崎市)は、品質保証体制の再構築など、再発防止策を説明。子会社の元経理担当社員が総額21億円超を横領したグローリー(姫路市)も、内部統制の強化や信頼回復に努めることを表明した。

 ■株主提案が最多

 大和総研によると、今年の3月期決算企業の総会全体では株主提案が77社、計290議案と過去最多。株主還元や環境対応を求める内容が多く「物言う株主」の投資ファンドによる提案も最多の35社を数えた。

 県内では極東開発工業(西宮市)が、投資ファンドから配当性向100%への引き上げや所有する賃貸不動産の売却など7件の提案を受けた。同ファンドは出資比率6・69%(6日時点)の大株主。28日の総会にも役員が出席し、70%を超える自己資本比率の高さなどを指摘し、さらなる株主還元を求めたが、提案はいずれも否決された。

 英国ファンドから自己株式取得など2件の株主提案を受けた石原ケミカル(神戸市兵庫区)でも提案は否決された。同じファンドから提案があった三ツ星ベルト(同市長田区)は配当性向100%への引き上げや自社株買いを発表。総会前に提案が取り下げられた。

 ■原発、石炭火力

 28日に大阪市であった関西電力の総会では、2050年の脱炭素社会実現を目指す同社の姿勢に株主の質問が集中した。

 神戸市などは、再生可能エネルギーの主力電源化と原発に依存しない電源構成を求めた。関電側は「事業活動に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を50年までにゼロにするため、原発の活用は不可欠」と強調。株主提案26件のうち、脱原発や脱炭素関連が半数以上を占めたが、すべて否決された。

 質問は、同社が電気を買い取っている神戸製鋼所(神戸市中央区)の石炭火力発電所にも飛んだ。「脱炭素の流れに逆行している」とする株主の指摘に対し、関電幹部は「火力発電は一定必要。外部調達に関しても、受電元とCO2削減を協議していく」と答えた。

 神鋼の22日の総会でも石炭火力発電事業に関する質問が目立った。同社幹部は再生可能エネルギーと石炭火力を組み合わせる重要性を強調。燃料にアンモニアを混ぜてCO2を減らす計画などを示し、「クリーンな電源を目指しながら電力事業を営んでいきたい」と述べた。