経済
シスメックスなど3社、ガーナで健康改善プロジェクト 乳幼児と母親の対象、マラリア早期発見へ
シスメックス(神戸市中央区)などは、アフリカ・ガーナの乳幼児と母親の健康状態を改善するプロジェクトを始めた。三大感染症の一つ、マラリアを診断する同社の装置を同国の農村地域の病院など3カ所に置き、人材のトレーニングなども担う。
同社のマラリア診断装置は2020年からアフリカに広まり、100台以上が稼働する。従来は15~30分かかった検査が、自動化により1分で終わるほか、貧血状態も確認できる。
アフリカでは、マラリアは新型コロナウイルス以上の脅威で、貧血患者は重症化リスクが高く、早期の発見が求められる。プロジェクトでは、同社の現地法人を通じて検査技士や医師の研修を進める。
公益財団法人味の素ファンデーション(東京)、NEC(同)との3社共同プロジェクトで、本年度から2年間の計画。味の素は栄養知識の啓発などを担い、栄養サプリメントを同国内8千店で買えるようにする。NECは健診や栄養指導に関するスマホ用アプリを開発する。
オンラインで会見したシスメックスの松井石根取締役常務執行役員は「マラリアは早期診断が重要。多くのお母さんに参加してほしい」と話した。(高見雄樹)