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牧場が先駆的なバイオガス事業を紹介 ホテルや専門職大学も「ESG」の意義語る アンカー神戸

2022.07.20
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小型バイオガス事業などについて説明する弓削牧場の弓削忠生場長=アンカー神戸

小型バイオガス事業などについて説明する弓削牧場の弓削忠生場長=アンカー神戸

ESGの取り組みについて説明する神戸北野ホテルの山口浩総料理長=アンカー神戸

ESGの取り組みについて説明する神戸北野ホテルの山口浩総料理長=アンカー神戸

アフリカとの交流事業について語る神戸情報大学院大学の福岡賢二学長代理=アンカー神戸

アフリカとの交流事業について語る神戸情報大学院大学の福岡賢二学長代理=アンカー神戸

ESGの先駆的な取り組みが紹介されたイベント=アンカー神戸

ESGの先駆的な取り組みが紹介されたイベント=アンカー神戸

 ESG(環境・社会・企業統治)をテーマにしたイベント「ESGナイト」が13日、ビジネス交流拠点のアンカー神戸(神戸市中央区)で開かれた。中小企業の経営者ら約40人が参加し、神戸市内の先駆例などが紹介された。

 神戸市の中小企業支援事業「プロジェクト・エングローブ」の一環。事例紹介ではSDGs(持続可能な開発目標)やESGの取り組みを進める畜産農家、ホテル、専門職大学などが取り上げられた。

 小型バイオガス事業で循環型経営に取り組む弓削牧場(神戸市北区)の場長、弓削忠生さんは「農業というのは昔からSDGs。あぜの草を刈って牛に食べさせて、牛のふんを田んぼの肥料にしていた」と語り、乳牛ふん尿を発酵させたバイオガスの副産物を有機肥料として野菜や酒米を地域で栽培する取り組みをトライアンドエラーで広げてきた事例を紹介した。

 神戸北野ホテル(神戸市中央区)の総料理長の山口浩さんは「未利用魚の活用を通じて水揚げに対しての漁業者の収入向上を図っていく持続可能な『神戸モデル』の漁業を発信していきたい」と海洋資源の70%が飲食業で消費される欧州などに比べ、高度な流通の技術が家庭レベルまで浸透している日本で取り組む意義を語った。

 神戸情報大学院大学(神戸市中央区)の学長代理、福岡賢二さんは、これまでアフリカ33カ国から170名の留学生を受け入れ、ルワンダとの交流によるスタートアップエコシステムの取り組みを報告。「早くいきたければ一人で行け、遠くに行きたければみんなで行け」というアフリカのある部族の言い伝えを挙げ、多くの人を巻き込み事業を行う重要性を説いた。

 気候変動や脱炭素社会への移行など環境が激変する中、社会の持続性に貢献する企業に資金が集まりやすくなっている。「神戸で事業に取り組むために大事なこと」を尋ねる質問に対し、山口さんは趣味のバイクを挙げながら「リアルな現場が近く、間近に見られるのが神戸の特性。社会課題解決に取り組む際も神戸らしく、エレガントな解決方法を探ってほしい」と答えた。

 プロジェクト・エングローブは第2期生を募集中。詳しくはホームページ(https://englobe-kobe.com/#page-top)まで。