ひょうご経済プラスTOP 経済 全国で唯一「毎日顔合わせ現物で決済」125年の歴史、「神戸手形交換所」11月に廃止

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全国で唯一「毎日顔合わせ現物で決済」125年の歴史、「神戸手形交換所」11月に廃止

2022.07.22
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平日の朝行われる手形交換。金融機関の担当者が手形を持ち寄り、交換する=いずれも神戸市中央区江戸町、神戸手形交換所(撮影・三津山朋彦)

平日の朝行われる手形交換。金融機関の担当者が手形を持ち寄り、交換する=いずれも神戸市中央区江戸町、神戸手形交換所(撮影・三津山朋彦)

手形交換を行う部屋の席ごとに据えられている銀行名の入った標柱=神戸市中央区江戸町

手形交換を行う部屋の席ごとに据えられている銀行名の入った標柱=神戸市中央区江戸町

毎朝行われる手作業での手形交換=神戸市中央区江戸町

毎朝行われる手作業での手形交換=神戸市中央区江戸町

多くの金融機関が手形交換に参加。フロア全体が活気に満ちる=神戸市中央区江戸町

多くの金融機関が手形交換に参加。フロア全体が活気に満ちる=神戸市中央区江戸町

 神戸銀行協会(神戸市中央区、24行加盟)は、商取引に使われる手形を金融機関同士で交換する「神戸手形交換所」を11月2日の業務終了後に廃止することを決めた。手形の利用が減ったことに加え、上部団体の全国銀行協会が電子交換所を設置するため。1897(明治30)年の開設以来、決済機能の一つとして地域経済を支えてきた125年の歴史に幕を下ろす。(加藤正文)

 また淡路島手形交換所(洲本市)、豊岡手形交換所(豊岡市)も同日に廃止となる。

 手形は現金に代わる企業間の決済の手段。銀行などは他行などを支払先とする手形を個別に取り立てず、場所と時間を決めて互いに持ち寄り、その場で交換する。受取額と支払額の差額を日銀の当座預金で決済する。18世紀の英国で生まれた制度は日本では1879年に大阪、87年に東京で誕生。神戸は全国で3番目に古い。

 神戸の手形交換所には加盟24行を含む銀行、信用金庫、信用組合など64の金融機関が参加。平日午前9時前に各金融機関の担当者が集まる。担当者は持ち出しと持ち帰りの差額をはじく。作業は十数分後に終了。東京や大阪はデータを持ち寄るスタイルといい、「これだけの規模で毎日顔を合わせて現物で決済するのは神戸だけ」(南喜樹・神戸銀行協会専務理事)という。

 手形交換はネットバンキングなど決済手段の多様化で利用は減少の一途。神戸の交換所の交換高も、枚数ベースでピークだった1970年度の999万3056枚から2021年度には134万8129枚と13・4%に減少。金額ベースでは同じくピークだった1989年度の20兆6474億円から2021年度には2兆7928億円と13・5%に減った。

 なお、手形交換所の入る神戸銀行協会ビルは老朽化のため現在の地上4階、地下1階建てから、地上11階、地下1階のオフィスビルに建て替えられる。23年7月着工、25年4月の完成予定。