経済
兵庫の有効求人倍率2年ぶりに1倍超える 全業種で回復傾向 全国も1・27倍
兵庫労働局が29日発表した6月の兵庫県内の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・03ポイント上昇の1・02倍となり、2020年6月以来2年ぶりに1倍を超えた。新型コロナウイルス禍による景気悪化が長く続いたが、人の移動が増えたことなどで企業の求人数が伸びた。打撃が大きかった飲食や宿泊を含め、ほぼ全業種で回復傾向がみられる。
同労働局によると、有効求職者は前月比0・9%減の8万6947人だったのに対し、有効求人数は同2・2%増の8万8412人と上回った。有効求人倍率は求職者1人当たりの求人数を表し、数値が高いほど職を得やすい。
コロナ感染拡大以降、求人倍率は下がり、20年7月から23カ月連続で1倍を切った。解雇や収入減で求職者も増え、21年10~12月は0・91倍にまで下がった。特に飲食や宿泊業で求人数が激減した。
コロナ感染予防と社会活動の両立が浸透したことで、今年1月以降は求人倍率も増加傾向に。6月の求人倍率は、夏休み前や政府の入国規制緩和による期待感で、さらに求人数が上がったとみられる。鈴木一光局長は「製造業をはじめ主要業界の好景気が支えとなり持ち直した」と受け止める。
飲食・宿泊業の求人数も、県外に本社移転した大手飲食チェーンを除き、前年同月比2割以上も増えた。解雇などの事業主都合離職者は、同15・5%減の1338人だった。一方、7月からコロナが再拡大しており、鈴木局長は「引き続き注意する必要がある」とする。
全国の有効求人倍率は1・27倍で、6カ月連続で上昇した。コロナの影響を強く受けた産業で大幅な改善が見られた。近畿のほかの府県は大阪=1・22倍▽奈良=1・26倍▽京都=1・20倍▽和歌山=1・17倍▽滋賀=1・08倍-だった。(小谷千穂)



















