経済
客足、再び遠く「あと数日、持ちこたえられるだろうか」 コロナ「第7波」企業に危機感
新型コロナウイルスの流行「第7波」が急拡大し、兵庫県内の企業にも影を落とし始めた。戻りつつあった客足が再び遠のくだけでなく、感染の拡大で従業員が出勤できず一時的な人手不足に陥るケースも。公共交通、金融機関など、社会インフラを担う企業は、危機感を強めている。
「あと数日、持ちこたえられるだろうか」。神姫バス(兵庫県姫路市)の担当者は気が気ではない。家族の感染で濃厚接触者とされ、自宅待機となるバス乗務員が増えているからだ。8月になれば、大学など通学路線の便数が減り、余裕ができる。「今は減便せずに運行できるぎりぎりのライン。非常に厳しい」と話す。
山陽電気鉄道(神戸市長田区)も「(現時点で)運行に支障はないが、乗務員には必要のない外出を控えるよう徹底している」。
尼崎信用金庫(兵庫県尼崎市)は、支店で感染者が出た場合に職員を総入れ替えできるようにして、危機に備える。27日に吹田支店(大阪府吹田市)で複数の職員が感染したため全員を自宅待機にし、初めて本部や周辺支店から約10人を派遣した。
人員を丸ごと入れ替えるのは「規模の小さい取引先が多く、感染で顧客の事業を止めないため」(総合企画部)だ。同信金には計九つの応援チームがある。
中堅ゼネコンのソネック(兵庫県高砂市)は、家族の感染で濃厚接触者となった社員に借り上げ社宅を提供。自主的な隔離を促して感染を防ぎ、影響を最小限に抑える。清水省己執行役員は「個別対応で何とかコントロールできている」と話す。
飲食・宿泊業界にも暗雲が漂う。客室稼働率が前年比3~5割増と好調な神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)は現時点で予約状況に変化はないが、「近隣のホールで予定されていた人気アイドルグループのライブが中止になり、150室超のキャンセルが出た」。また、居酒屋チェーンのワールド・ワン(同)は1週間ほど前から客足が減少し、予約のキャンセルも増えているという。(まとめ・高見雄樹)